世界は欲望の色を帯びている

たとえば、今わたしは目の前のコップの存在を確信しているが、それと同時に、これがわたしの何らかの「欲望・関心」の相において「見てしまっている」こともまた確信している。

飲み物を飲みたいという「欲望・関心」のゆえに、今わたしはこれを飲み物を入れる容器として認識しているのかもしれない。しかしもし小さな花を摘んできて、それを飾る適当な花瓶が見当たらなかった時には、即席の一輪挿しとして認識するかもしれない。


■参考文献
『はじめての現象学』  竹田 青嗣 一九九三年

苫野一徳Blog(哲学・教育学名著紹介・解説): ハイデッガー『存在と時間』
[編集部]

★この記事はiCardbook、『自由の相互承認—— 人間社会を「希望」に紡ぐ ——(上)現状変革の哲学原理』を構成している「知識カード」の一枚です。

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