イスラーム商人の三つの類型

ハリーリーの言葉には、当時の商人にとって、イスラーム世界がいかに投資の機会に満ちていたかを示している。

この事実を見事に理論化しているのが、11世紀の思想家ディマシュキー*。その白眉は、商人を三つの類型によって定義したことである。

参考文献:
「イスラーム市場社会の歴史的構造」加藤博 『比較史のアジア 所有・契約・市場・公正 (イスラーム地域研究叢書)』  三浦徹ほか編(東京大学出版会、2004年)
商品学の誕生―ディマシュキーからベックマンまで』  風巻義孝(東洋経済新報社、1976年)

* 彼は、世界最古の商業書の一つとされる『商業の功徳 商品の良否と欺瞞者の虚偽に関する知識への手引書』を書いたことで有名である。この書物は、財の本質と富の礼賛にはじまり、貨幣論、商品論、商人論など、商業という職業をさまざまな角度から論じている。


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.2 市場経済における「イスラームの道」(歴史編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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