脳機能は単一の脳領域だけでは説明できない その二

同様の例として、てんかん治療の目的で海馬を切除された患者が、新しい出来事を記憶できない症状(順行性健忘)を示したという有名な知見があります。これは、海馬が記憶形成に必要であることを示唆するものです。

しかし、この知見だけで他の領域の関与を排除することはできません。実際に、海馬以外の脳領域が損傷しても、同様の記憶障害が発症することはあります。


■参考文献(本のタイトルをクリックしてアクティブラーニング)

『記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方(ブルーバックス)』  池谷裕二(講談社、二〇〇一年)

『海馬―脳は疲れない (新潮文庫)』  池谷裕二・糸井重里(新潮社、二〇五年)


註ナシ


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