イスラーム法。
イスラームにおいて、人(ムスリム)は神と個々に結んだ契約のもとに存在する。しかし、人はこの神との契約を一人で遵守するほど強くはない。そこで、互いに助け合い、協力し合って神との契約を守ろうと組織したのがウンマ(イスラーム信徒共同体)である。
そして、このウンマの構成員、つまりはすべてのムスリムが従うべくウラマー(イスラーム法学者)によって定められたのが、シャリーアである。シャリーアは成文化された実定法ではなく、ムスリムの宗教的・現世的生活全般を対象とした啓示法としての規範群である。
参考文献:
『文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第5章:法 加藤博(東京大学出版会、1995年)
『イスラム法通史』 堀井聡江(山川出版社、2004年)
『新装版 イスラム:思想と歴史』 中村廣治郎(東京大学出版会、2012年)
『統治の諸規則』 アル=マーワルディー 湯川武訳(慶應義塾大学出版会、2006年)
■関連知識カード/章説明他:
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イスラーム経済の労働にかかわる三つの特徴
★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.3 基本概念・基礎用語編』を構成している「知識カード」の一枚です。
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