三層の時間 その2

歴史の時間は、ただ一本の流れからなるのではなく、幾層にも重なり合っている。表層にはまたたくまに過ぎ去ってしまう時間、個人とできごとの歴史があり、次にゆっくりとリズムをきざむ社会の歴史(局面、人口動態、国家、戦争)があり、最後に深層において不変の、あるいはほとんど不変の時間が流れる歴史(自然、環境、長期的持続、構造)がある。

参考文献:
歴史入門(中公文庫)』  フェルナン・ブローデル 金塚貞文訳(中央公論新社、2009年)
フェルナン・ブローデル[1902-1985]』  フェルナン・ブローデル 井上幸治編・監訳(新評論、1989年)

■関連知識カード/章説明他:
ブローデルの「全体史」
ブローデルの「三層の時間論」


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.3 基本概念・基礎用語編』を構成している「知識カード」の一枚です。


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