知能を現象学的に見る

現象学的に言うと、「我思う」という一本の細い「我」という端点はあまりにも狭いエッジです。むしろ「我(知能)はあらゆる志向性によって世界に関係を持つ」のです。

「我感じる」
「我気に入る」
「我喜ぶ」
「我悲しむ」
「我望む」
「我怖れる」
「我決断する」

など、あらゆる世界との関係性が経験の内から見出されます。我は世界へ向かってさまざまな形で投げ出されているのです

■参考文献
人工知能のための哲学塾』  第一夜 フッサールの現象学 三宅 陽一郎 二〇一六年
「ゲーム、人工知能、環世界 考える存在から経験の総体へ、AIのための現象学的転回」 三宅 陽一郎 『現代思想』 2015年12月号 特集=人工知能 青土社 二〇一五年

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>』を構成している「知識カード」の一枚です。

人工知能と人工知性
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