人間の父性の起源

おそらく、初期人類もゴリラのようにオトコが子育てに参入することによって、母子だけに限定されていた思いやりやいたわりの対象を広げることができるようになり、複数の家族を含む共同体の内部でも、見返りを求めずに支援の手を差し伸べるような行動が発達していったと考えられる。


■参考文献
『家族の起源―父性の登場』第五章・第五節 父性の発達  山極寿一(東京大学出版会、一九九四年)

『暴力はどこからきたか——人間性の起源を探る』第五章 暴力の自然誌―子殺しから戦争まで  山極寿一 (NHKブックス、二〇〇七年)

『父という余分なもの: サルに探る文明の起源』  山極寿一 (新潮社、二〇一五年)

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。

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