無意識から意識へ

生物の身体を通った情報は、まず無意識の中でさまざまに解釈されます。

そこでは形ならぬ信号たちが凝縮した集合となり、シニフィエとシニフィアンとして変換されて記号となります。記号同士の相関は、ある程度、言葉同士のつながりとして記憶されます。この記号伺士の関係性が意識世界の言語となり、我々はいわば言語の関係性の網、つまり言語回路を通して世界への理解を深める。そして精神自体が言語で形成されていきます。

つまり、世界の連環を反映した連続した信号たちは、変換された記号たちの関係性として保持される。そういった関係性が埋め込まれた世界を意識は体験し、我々の意識はこれを手がかりとして世界の関係性について知ることとなるのです。


■参考文献
人工知能のための哲学塾』 第二夜 ユクスキュルと環世界  三宅 陽一郎 二〇一六年

ゲーム、人工知能、環世界 考える存在から経験の総体へ、AIのための現象学的転回」 三宅 陽一郎 『現代思想』 2015年12月号 特集=人工知能 青土社 二〇一五年

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。

人工知能と人工知性
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