ドゥルーズ=ガタリの「自由」論の問題点

しかし、ドゥルーズ=ガタリの抱く「自由」の〝イメージ〟は、第二章で述べた「因果からの自由(上巻・知識カード25)」、およびそこからの「解放としての自由(上巻・知識カード37)」という、二重の〝表象〟に陥ったものである。

そのイメージは、わたしたちの欲望が、そもそもシステム(権力)に規定されているだけでなく、同時にまた、そもそもそのような権力を欲望してしまう〝機械〟であるというものだ。

■参考文献
『「自由」はいかに可能か―社会構想のための哲学』 第五章・第一節 欲望  苫野 一徳 二〇一四年

苫野一徳Blog(哲学・教育学名著紹介・解説): ドゥルーズ=ガタリ『アンチ・オイディプス』 [編集部]


★この記事はiCardbook、自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (下)未来構築の実践理論』を構成している「知識カード」の一枚です。

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