職業団体

この市民社会(市場)において、わたしたちはどのように「自由の相互承認」をより実質化しうるだろうか?

先述した教育や福祉に加えて、ヘーゲルはここに「職業団体」を置く。それは「市民社会の無秩序」を緩和する、きわめて重要な圏域である。I):具体的には、それは「ギルドの閉鎖的な職能団体であるツンフトとは異なって、職業選択の自由のもとで結成された当時における新たな職業協同団体を指す」(福吉『現代の公共哲学とヘーゲル』 第四章・第一節 〈公共福祉〉論の基本的考え (未來社、二〇一〇年))。つまり労働者相互の共助団体のことだが、現代においては、さしあたり労働組合をイメージしておいてよいように思われる。


■参考文献
『現代の公共哲学とヘーゲル』  福吉 勝男 二〇一〇年

『使えるヘーゲル 社会のかたち、福祉の思想』  福吉 勝男 二〇〇六年

 

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I. :具体的には、それは「ギルドの閉鎖的な職能団体であるツンフトとは異なって、職業選択の自由のもとで結成された当時における新たな職業協同団体を指す」(福吉『現代の公共哲学とヘーゲル』 第四章・第一節 〈公共福祉〉論の基本的考え (未來社、二〇一〇年))。つまり労働者相互の共助団体のことだが、現代においては、さしあたり労働組合をイメージしておいてよいように思われる。