精神疾患の治療薬をはじめとして脳に作用する薬物の多くは、未だに薬理作用が完全には解明されていないものが大半です。この理由は、本書で述べてきたように、脳機能が非常に複雑な神経回路から生じているためです。
今後、根拠に基づいた精神疾患治療薬の開発を進めるためには、神経回路の基礎的動態を理解し、さらに病態時の変化を理解し、その上で候補薬物の効果を検討していくことが重要です。
基礎と応用研究の知見を総合して、神経回路の視点から新しい創薬に結び付く日がいつか来ると期待しています。
■参考文献(本のタイトルをクリックしてアクティブラーニング)
『進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)』 池谷裕二(講談社、二〇〇七年)
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★この記事はiCardbook、『脳と情報——神経回路と記憶のメカニズム——』を構成している「知識カード」の一枚です。
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