利子はイスラームの教えで禁止されるのか?(その1)

不当利得禁止の教義と利子の関係についての1つの解釈は、イスラームで禁じるべき利子は高利に限定されるべきいうものである。これは、適度の利子は経済活動の潤滑油であり、すべての利子を禁止することはむしろ経済の効率性を阻害するという一般的な経済学の考え方にもとづいたものである。この考え方は、西洋型の金融機関が広く浸透したイスラーム世界の現実とも合致しており、広く受け入れられた。

参考文献:
現代イスラーム金融論』第2章:リバー論の系譜  長岡慎介(名古屋大学出版会、2011年)
「徴利論2(リバー)」小杉泰 『歴史学事典1 交換と消費』  川北稔編(弘文堂、1994年)
21世紀の世界政治(5) イスラーム世界』第4章:イスラーム復興のダイナミズム  小杉泰(筑摩書房、1998年)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。



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