このようにみていくと、逆に子殺しが起こりにくい要因も分かってくる。それらは、夜行性、営巣性、ペア型社会、雌雄サイズ差が小さいこと、メスの交尾可能な時期が長いことなどである。
これらのうちペア型社会、雌雄サイズ差が小さいことなど、いくつかは私たちヒトの特徴と一致する。人類は進化の過程で、子殺しを防ぐような行動的・社会的特徴を進化させてきたことが示唆される。
■参考文献
『暴力はどこからきたか——人間性の起源を探る』第五章 暴力の自然誌―子殺しから戦争まで 山極寿一 (NHKブックス、二〇〇七年)
★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。
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