サルの同情能力

ニホンザルの母親は子どもが悲鳴をあげれば飛んでいって助けようとする。しかし、子どもが傷を負っても、その子を慰めようとはしない。チベットモンキーの母親も、子どもがヘビに近づいても止めようとはしない。キイロヒヒの母親は、川を渡れずに立ちすくんでいる子どもを助けに戻ろうとはない。

サルたちは自分が巻き込まれなければ、他者に起ころうとしている悲劇を救おうとするような感情を持たないと思われるのだ。


■参考文献
『ヒトはどのように進化してきたか』  ロバート ボイド、ジョーン・B・シルク 松本晶子・小田亮監訳(ミネルヴァ書房、二〇一一年)原著二〇〇二年

『家族進化論』第五章・第二節 動物の同調と共感能力  山極寿一(東京大学出版会、二〇一二年)

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。

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