通過資源に関する利潤最大化条件

通過資源投入量に関する利潤最大化条件は、一単位の通過資源投入に伴う、生産サービス量増加による収入増が、不要物処理費と通過資源購入費の増加による支出増と同じになるというものである。I):収穫逓減を仮定しているため、通過資源投入が大きくなるにつれて、追加的な一単位の通過資源投入による生産サービス量の増加分は徐々に減少していく。つぎに、省資源資本基盤投入量は動かさないため、投入された通過資源の一定割合は不要物となり、この処理費は通過資源の投入量に比例して増加する。さらに、通過資源価格は一定なので、追加的一単位の通過資源投入による通過資源購入費は一定(=通過資源価格)となる。このためどこかの段階で、生産物のサービス量の増加による収入増(生産サービスの増加分に生産物価格をかけたもの)と不要物処理費と通過資源購入費の増加分が一致することになる。

不要物処理価格や通過資源価格が高いほど、また、生産物価格が低いほど、通過資源投入量は少なくなる。


■参考文献
エコロジカルな経済学』 第五章・第二節 ごみがでる生産の理論  倉阪 秀史 二〇〇三年

 

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I. :収穫逓減を仮定しているため、通過資源投入が大きくなるにつれて、追加的な一単位の通過資源投入による生産サービス量の増加分は徐々に減少していく。つぎに、省資源資本基盤投入量は動かさないため、投入された通過資源の一定割合は不要物となり、この処理費は通過資源の投入量に比例して増加する。さらに、通過資源価格は一定なので、追加的一単位の通過資源投入による通過資源購入費は一定(=通過資源価格)となる。このためどこかの段階で、生産物のサービス量の増加による収入増(生産サービスの増加分に生産物価格をかけたもの)と不要物処理費と通過資源購入費の増加分が一致することになる。