聖と俗の二項対立を超克するイスラーム

信仰儀礼から日常生活に関わるものまであらゆることがらが『クルアーン』に載っているのは、神様と結んだ契約の対象が、ムスリムの生き方すべてだからである。そのため、信仰行為や信仰心といった聖なることだけでなく、政治、経済、社会のような世俗に関することまで、神様の指示がこと細かく『クルアーン』に載っているのである。まさに私たちの聖俗の二項対立を超克する存在がイスラームなのである。

参考文献:
イスラームとは何か―その宗教・社会・文化(講談社現代新書)』第2章:啓典と教義  小杉泰(講談社、1994年)
イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』第1章第1節:経済は宗教から逃れることができるのか?  加藤博(詩想舎、2020年)
イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」Vol.2 市場経済における「イスラームの道」(歴史編)』第1章第1節:イスラーム世界の成立と展開  加藤博(詩想舎、2020年)

□関連知識カード:
 タウヒード
 イスラームは宗教と世俗の区別を認めない
 イスラームは聖俗一元論
 イスラームは神政一致ではない

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。



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