解放としての自由

「自由」の第三の表象(イメージ)は、あらゆる制限や強制から解放されていること、というものだ。これを「解放としての自由」と呼んでおくことにしよう。

 

これは、ある意味では「恣意としての自由」の裏返しである。「解放としての自由」もまた、あらゆる制約から〝解放される〟ことで、結局のところは何でも「やりたい放題」ができることをイメージしているからだ。※

※:「基本的な誤解は、解放と自由の違いを区別していないという点にある。反乱や解放が新しく獲得された自由の構成を伴わない場合、そのような反乱や解放ほど無益なものはないのである。」(『革命について』(ちくま学芸文庫、一九八二年))

■参考文献
『革命について』  ハンナ・アーレント 原著一九六三年


★この記事はiCardbook、『自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (上)現状変革の哲学原理』を構成している「知識カード」の一枚です。

自由の相互承認 下