このような行動実験で大脳皮質や扁桃体の神経細胞の活動を調べると、記憶痕跡の仮説の通り、電気刺激の記憶の獲得時と想起時に類似した細胞集団が重複して活動しやすいことが明らかになってきました。
また、重複した細胞の割合が多いほど、すくみ反応の時間が長くなることがわかっています。つまり、より強く記憶を想起していたことが示唆されます。こうした実験結果から、記憶獲得と想起における記憶痕跡の仮説が支持されています。
■参考文献(本のタイトルをクリックしてアクティブラーニング)
『記憶をあやつる (角川選書)』 井ノ口馨(KADOKAWA/中経出版、二〇一五年)
『記憶をコントロールする――分子脳科学の挑戦 (岩波科学ライブラリー)』 井ノ口馨(岩波書店、二〇一三年)
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