うつ病や統合失調症などの精神疾患では、こうした神経調節物質が薬物標的になっています。
精神疾患は、脳が外界の状況に対して適切に応答できない状態となりますが、これも神経回路の視点から見ると、入出力演算が適切に行われないためと捉えられます。
例えば、うつ病では、脳内のセロトニン濃度を変化させるような薬物が用いられます。その治療効果は、不具合があった神経回路が、正常な出力パターンを生成できるようになったためと考えることができます。I):しかし、精神疾患において、どのような神経回路で、どのような時空間パターンが重要であるか、という点は未だにほとんど解明されていません。今後は、神経回路の視点を導入したより詳細な研究が求められます。
■参考文献(本のタイトルをクリックしてアクティブラーニング)
『「見る」とはどういうことか―脳と心の関係をさぐる』 藤田一郎(化学同人、二〇〇七年)
『ニューロンから心をさぐる (岩波科学ライブラリー (64))』 桜井芳雄(岩波書店、一九九八年)
『ニューロンの生物物理 第二版』 宮川博義・井上雅司(丸善出版、二〇一三年)
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註
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