そこでサンデルが主張するのが「共通善」の政治である。
わたしたちが何らかの文化的価値に埋め込まれている以上、ここから完全に独立した正義の原理を提示することは不可能である。代わりにわたしたちが提起すべきは、それぞれの文化的背景の内側から「共通善」を見出すという方法である。サンデルはそう主張するのだ。※I):サンデルは次のように言う。「共通善の党が正しいとすれば、われわれの最も緊急を要する、道徳的・政治的企ては、われわれの伝統に内在するものの、今日では消滅しつつある公民的共和制の可能性を再活性化することである。」(『リベラリズムと正義の限界』 日本語版附論 道徳性とリベラルの理想 (勁草書房、二〇〇九年))
■参考文献
『リベラリズムと正義の限界[原著第二版]』 マイケル・サンデル 原著一九八八年
★この記事はiCardbook、『自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (上)現状変革の哲学原理』を構成している「知識カード」の一枚です。
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註
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