環世界

「環世界」とは生物を「環境に埋め込まれた存在」として捉える見方です。

生物は長い進化の中で、無限の情報と、無限の可能性に溢れた世界から、自身の生存に必要な特定の情報を選択的に感受し、また、特定の世界の部分に対して行動を行ってきました。

この情報選択と特定行動とは密接に結び合っており、生物はこの二つによって環境に深く根ざしているのです。生物から見た世界は、この結果閉じられた世界となります。※I):ですから実は、たとえ同じ空間にいる人間と犬、猫、ハムスター、虫であっても、それぞれ異なる主観的世界を形成していて、その主観的世界を介して世界を生きています。(資料1:図画)動物には人間の部屋がどのように見えるか 
(出典:山口先生の心理学教室:環境心理学 4回 動物の環境認知  )[編集部]

この閉じられた世界のことを「環世界」と言います。


■参考文献
生物から見た世界』  ヤーコプ・フォン・ユクスキュル 原著一九三四年

動物の環境と内的世界』  ヤーコプ・フォン・ユクスキュル 原著一九〇九年

人工知能のための哲学塾 第二夜「ユクスキュルと環世界」 講演資料  三宅 陽一郎 二〇一五年

ゲーム、人工知能、環世界 考える存在から経験の総体へ、AIのための現象学的転回」 三宅 陽一郎 『現代思想』 2015年12月号 特集=人工知能 青土社 二〇一五年

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。

人工知能と人工知性
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I. :ですから実は、たとえ同じ空間にいる人間と犬、猫、ハムスター、虫であっても、それぞれ異なる主観的世界を形成していて、その主観的世界を介して世界を生きています。(資料1:図画)動物には人間の部屋がどのように見えるか 
(出典:山口先生の心理学教室:環境心理学 4回 動物の環境認知  )[編集部]