シナプス伝達の加算 その三(遅延)

こうした一つの神経細胞の中で起こる一連の過程「前の細胞からのシナプス伝達、シナプス電位の加算、活動電位の発生、軸索の伝播」は、多少の時間誤差がありますが、どんなに速くても数ミリ秒以上の時間がかかります(動画1,2)。

シナプス伝達、活動電位の発生、軸索の伝播は、毎回ほとんど一定時間で完結する現象ですので、特に時間的ばらつきの要因となるのは、シナプス電位の加算です。脳の情報処理は、たくさんのシナプスを介する過程ですので、必ず数十から数百ミリ秒の遅延が生まれることになります。

 

動画1:神経細胞のシナプス伝達

動画2:シナプス入力の加算による活動電位の発生


■参考文献(本のタイトルをクリックしてアクティブラーニング)

『ニューロンの生物物理 第二版』  宮川博義・井上雅司(丸善出版、二〇一三年)

『生体電気信号とはなにか―神経とシナプスの科学 (ブルーバックス)』  杉晴夫(講談社、二〇〇六年)


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