意識にのぼる知覚と無意識の知覚

何らかの感覚刺激を受けたとき、その刺激が意識にのぼって知覚されるか否かという問題について、神経メカニズムは完全には解明されていません。しかし、確かなことは、知覚の有無は、神経回路の計算結果に依存すること、こうした計算過程では、ボトムアップとトップダウン情報処理の相互作用が起こっているということです(※I):例えば、同じ感覚刺激により末梢の感覚器がまったく同じように働いても、脳において知覚される場合とそうでない場合があるのは、その時点での高次脳領域、あるいはトップダウン情報処理の状態に何らかの違いがあるからだと考えられます。)。


■参考文献(本のタイトルをクリックしてアクティブラーニング)

『脳の計算機構―ボトムアップ・トップダウンのダイナミクス』  銅谷賢治・阪口豊・五味裕章・川人光男編(朝倉書店、二〇〇五年)

『脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす (ブルーバックス)』  甘利俊一(講談社、二〇一六年)

『ニューロンから心をさぐる (岩波科学ライブラリー (64))』  桜井芳雄(岩波書店、一九九八年)


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I. :例えば、同じ感覚刺激により末梢の感覚器がまったく同じように働いても、脳において知覚される場合とそうでない場合があるのは、その時点での高次脳領域、あるいはトップダウン情報処理の状態に何らかの違いがあるからだと考えられます。