長い期間かけてようやく脳が大人と同じサイズになると、ようやく体の成長に栄養を回すことができる。この段階でヒトの体に起こるのが「思春期スパートI):思春期スパートは男性で十二~二十一歳ごろ、女性で十~十八歳ごろに起こる。思春期スパートの初期にはすでに精通や初潮が起き、繁殖可能となるが、実際に子供をつくるのはより後になってからだ。」と呼ばれる、性成熟後の身長と体重の増加および二次性徴である。早期の脳発達によって遅れた体の発達が、ヒトに固有の二つ目の生活史「青年期」を生み出したわけだ。
■参考文献
『サルの生涯、ヒトの生涯——人生設計の生物学』 デビッド・S・スプレイグ(京都大学学術出版会、二〇〇四年)
『家族進化論』第四章・第十節 脳の大きさと生活史の変化 山極寿一(東京大学出版会、二〇一二年)
★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。
◎iCardbookの商品ラインナップはこちらをクリック
この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます
註
I. | 戻る | :思春期スパートは男性で十二~二十一歳ごろ、女性で十~十八歳ごろに起こる。思春期スパートの初期にはすでに精通や初潮が起き、繁殖可能となるが、実際に子供をつくるのはより後になってからだ。 |