二つ目は、一日限りの実験ではなく、数日から数週間にわたって、慢性的に脳に電極を埋め込む方法です。
この場合は、脳の中に電極を刺入した後に、電極の固定具を動物の頭部に長期間固定する手術を行います。手術から回復後に、脳に埋め込んだ電極の位置が安定したら、神経活動を記録します(図7)。
慢性記録実験では、動物が自由に行動している条件において、複数日にわたって神経活動を記録できるという利点があります。
二〇一四年のノーベル賞医学生理学賞の対象となった「海馬の場所細胞」は、このような方法で発見されたものです(図9)。
■参考文献(本のタイトルをクリックしてアクティブラーニング)
『ニューロンの生物物理 第二版』 宮川博義・井上雅司(丸善出版、二〇一三年)
『生体電気信号とはなにか―神経とシナプスの科学 (ブルーバックス)』 杉晴夫(講談社、二〇〇六年)
『最新パッチクランプ実験技術法』 岡田泰伸編集(吉岡書店、二〇一一年)
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