狩猟動物の大量絶滅

サピエンスは五~六万年前に中央アジアやオーストラリアへ、一万四千年前にはベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸へと進出する。それは各地で多くの野生動物の絶滅をもたらした。

オーストラリアでは背丈が2.5メートルもあるカンガルーや体重が2トンもあるウォンバットなどの大型動物が四万六千年~五万年前に姿を消し、アメリカ大陸にいたゾウ、ラクダ、ライオン、オオナマケモノ、オオアルマジロなどの大型動物が一万二千年前までに絶滅している。

いかにサピエンスの狩猟技術がすさまじいものであったかがわかる。


■参考文献
『5万年前に人類に何が起きたか——意識のビッグバン』  リチャード・G・クライン、ブレイク エドガー 鈴木淑美訳(新書館、二〇〇四年)原著二〇〇二年

『家族進化論』第六章・第二節 言葉はアフリカで生まれた  山極寿一(東京大学出版会、二〇一二年)

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。

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