GDP指標の欠点と見直し

市場における評価額で経済活動の成果を測るという考え方は、付加価値額の総和である国内総生産(GDP)という経済指標を生み出した。

しかし、GDPは、汚染の被害者の医療費など、本来不必要であるべき「防御的な」支出も含んでいる。また、森林資源などを切り尽くしてしまってもGDPが増加する。

このため、GDPから福祉を増進しない支出類や自然資本の減耗分を控除し、福祉を増進する項目を追加するという方向で、経済の持続可能性を反映する経済指標の開発が進められてきた。

この種の指標案としては、NWW(国民純福祉)、グリーンGDP、持続可能な福祉指標(ISEW)、真の進歩指標(Genuine Progress Index:GPI)などが該当する。

■参考文献
The Genuine Progress Indicator 2006; A Tool for Sustainable Development、 John Talberth、 Clifford Cobb、 Noah Slattery、 (Redefining Progress、 2006)


★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか(上)視座と理念の転換』を構成している「知識カード」の一枚です

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