●学力には、学校が解決できない課題がある 


(母親の学歴が高いほど子供の学力が高くなるのは父親のせい - RYOSAKASANTO https://www.ryosaka.com/entry/2018/09/10/070000

格差の「連鎖・蓄積」(cumulative advantage and disadvantage)。

「通常、個人の不平等は、ある時点での有利さ・不利さが時間とともに積み重なっていく(「富める者はますます富む!」)。その時にスタート地点となる不平等は、家庭環境や性別のような当人の意思や努力によって獲得できない〈生まれながらの差異〉である。このような〈生まれながらの差異〉が、その後の人生における学歴や職の獲得に対して影響し続ける、との認識がアカデミックの世界では、当たり前になりつつある。

だから事後的な「再配分」より、就業する前の、教育内容と子育て段階にある家計への施策が重要である。

そしてこういった考え方が具体化されるには、そもそも教育が、社会的公正(厚生)を実現するためにある。すなわち社会的包容力(社会的に弱い立場にある人々を排除・孤立させるのではなく、共に支え合って生活していこうという考え方)を涵養するためにあることが再確認されなくてはならない。

と同時に、家庭がその実現に責任を(学校任せにしない、学校だけのせいにしない)という意識が大事だ。

最後に、いわゆる「学力」とともに「非認知能力」の育成が「幸せ」な人生には欠かせない、という知見にも配慮すべきで、ここでも「家庭」への期待が大きい。


 

●子どもの家庭背景による学力格差は根深い――学力の追跡的調査の結果から考える / 中西啓喜 / 教育社会学 | SYNODOS -シノドス- https://synodos.jp/education/22176
「学校に出来ることと出来ないことを見極め、どのような条件がそろえば学校教育の効果が発揮されうるのかを考えたい」。
・家庭背景による初期的な学力格差

・家庭背景によって学習時間の効果が異なる

「歴史的に、人々は社会問題の解決を過剰に学校教育へ期待し、「小手先の学校いじり」に熱中し、学校教育は社会問題の解決の「カギ」としての役割を押し付けられてきたのである(ラバリー 2010=2018)。」

 

●幼児教育「無償化」より大事なのはその内容http://toyokeizai.net/articles/-/192055
「単に貧困家庭にカネを与えるだけでは、世代間の社会的流動性を促進できない。貴重なのはカネではなく、愛情と子育ての力なのだ。

「事前分配──恵まれない子供の幼少期の生活を改善すること──は社会的包容力を育成すると同時に、経済効率や労働力の生産性を高めるうえで、単純な再配分よりもはるかに効果的である。事前分配政策は公平であり、経済的に効率がいい。」

小学校以降の教育よりも、就学前の教育のほうが、教育効果が非常に高く、「投資効率」がよい、しかし単純に幼児教育を無償するのは得策ではない、というのが、『幼児教育の経済学』の主張。著者のジェームズ・ヘックマン教授は「所得に応じたスライド制の負担を提言している。対象者の範囲や子供の親へのケアなど、幅広く目配りしているのが特徴」。

 

●学力の高い子ども、親の習慣や家庭環境に「共通の傾向」…文科省調査で判明 | ビジネスジャーナル https://biz-journal.jp/2018/10/post_25094.html
日本の文科省の調査。
・学歴や収入の低い層でも、高い層でも、それぞれの層のなかでは、蔵書数が多い家庭の子どもほど学力が高い
・親自身が知的好奇心をもって暮らしているかどうかが重要(子どもたちは、小さい頃から親に連れられて図書館をはじめとする文化施設に出かけることで知的好奇心が刺激され、そうした経験の積み重ねがその後の学習意欲につながっていることが推察される。)

 

●成績の良い子・学力が伸びる子は家庭力 | 読書や生活習慣 https://bit.ly/2CF3jrq
「平凡な才能の人が地アタマを鍛えるには読書が大切です。その読書の習慣を身につけさせるのは、家庭での保護者の役割であり、家庭力なのです。幼いころから図書館に連れていき、本を読ませるようにする、本を読むのが嫌な子は、朗読してあげる、あるいは児童劇を見せてあげたりの工夫をすることが大切です。」

 

●父親が単身赴任・専業主婦のほうが子どもの学力が高い、その理由への危険な誤解|ビジネスジャーナル スマホ https://biz-journal.jp/i/amp/2018/10/post_25177.html
文部科学省が小学6年生と中学3年生を対象に毎年実施している学力調査(全国学力・学習状況調査)の平成29年度版への誤解が蔓延している。特に「保護者の単身赴任と子どもの学力の関係」の項目に関して。
もともと日本の父親の育児への非協力ぶりが指摘されているが、学力との相関性には慎重で入念な判断が必要。家庭内にそもそも父親はどのくらい「居る(時間)」のか、そして育児に関わっているのかの統計データと、世帯の経済事情に関するデータ、さらには母親と父親との比較がきちんとなされなくてはいけない。

(日本の男の人は育児の時間が短い:少子化対策キッズページ - 少子化対策:政策統括官(共生社会政策担当) - 内閣府 http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/kids/2_2.html

結論を言えば、父親よりも母親のほうが子どもと言葉をかわす頻度が高い。そのことが子どもの学力に対する影響力としてあらわれている可能性である。
つまり、世帯の経済力や、両親の学歴、帰宅時間、単身赴任といった要因ではなく、「父親であるか母親であるかにかかわらず、保護者自ら読書などを通して語彙力を豊かにすることが、子どもの学力向上につながる」のである。

 

●世界中が注目する「非認知能力・自制心」を育む方法 [子育て] All About https://allabout.co.jp/gm/gc/470781/
ノーベル賞を受賞した経済学者ジェームス・ヘックマン氏の研究成果(The Rate of Return to the High/Scope Perry Preschool Program https://www.nber.org/papers/w15471 )。幼稚園児をその後40年間追跡調査した。

社会面、経済面、健康面全てにおいて、より充実した人生を送るには、「幼年期から「非認知能力」を培うことが」重要。「読み書きや算数やIQといった「認知能力」を向上させる教育よりも、その子が感じ、考え、行動するパターンの土台となる「非認知能力」を育むことにこそに、力が注がれるべきだ」。

 

●ソニー、「教育格差問題」縮小に挑む NPOやNGOと連携するSDGs発表 | ニコニコニュース http://news.nicovideo.jp/watch/nw3859634
「ソニーは、学校で過ごす時間よりも長い、年間約1,600時間の放課後や長期休暇における体験機会の差が子どもたちの成長に与える影響は大きいと考え、放課後ワークショップや遠隔授業を計画した。」

ソニーの「感動体験プログラム」は、NPOやNGOなどの外部団体によるパートナーシップとの連携がひとつのポイント。
たとえば、「「小学校の放課後におけるワークショップ」では、「放課後NPOアフタースクール」と連携。IoTプログラミングキット「MESH(メッシュ)」を使ったワークショップや、大型VR空間「Warp Square(ワープスクエア)」での異文化体験、ソニー・ミュージックエンタテインメントのノウハウを活用したアニメーション制作セミナー、キッズミュージカル体験などを実施する予定」。

 

┃Others あるいは雑事・雑学
●「「作文」が書けない子に教えたい3つの言葉 | 子育て | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 https://toyokeizai.net/articles/-/235154

●算数マジックで子供の心をつかむ 自作教材もフル活用| 教育新聞 電子版 https://www.kyobun.co.jp/news/20180918_04/

●父親の最大の仕事(#046) | お子様の知的障がい、発達障がいは改善できます! https://gado.or.jp/blog/%E7%88%B6%E8%A6%AA%E3%81%AE%E6%9C%80%E5%A4%A7%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B046-3

●「デジタルメディア利用実態調査 2018 -日本編-」発表|デロイト トーマツ グループのプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000167.000000202.html

●「デジタル世界における子どもの読書習慣」に関する調査(デンマーク)国立国会図書館国際子ども図書館 http://www.kodomo.go.jp/info/child/2018/2018-098.html