●システムとしての民主主義と資本主義

「NHKスペシャル『人体』」で人間の臓器がメッセージ物質を排出することでお互いに連絡しあいながら、身体の均衡を保とうと日々活動していることが指摘され、人々を驚かせた。つまり人体は脳からの命令で動く中央集権型のシステムではなく、分散型の、自律的に秩序が生成されるようなシステムで動いているのだ。
https://www.nhk.or.jp/kenko/jintai/networksymphony/

(【レポ】特別展「人体 神秘への挑戦」@国立科学博物館(東京・上野):あなたは自分自身を知っているか? | ホラノコウスケ公式ブログ https://horano.jp/archives/6720

ところで人間がつくる社会についても、自己組織化理論、オートポイエーシスが適用できるとする考え方が20世紀、主流となったが、そこでは「閉じた系」が想定されていた。

しかし、生物としての「人体」が臓器同士の情報交換で自律的に秩序を生成するその過程で、外部刺激としての「環境(からの情報)」が重要なのはすぐに理解できるところ。社会にしても同様に、外部の刺激(環境の変化)を適切にとらえ、自身を変化させていく必要がある。

21世紀社会を特徴づける、民主主義、資本主義に対しても、外部の刺激(環境の変化)を適切にとらえ、自身をどう変化させていくか、が、貧困や格差、オートクラシー化(独裁化)を焦点に議論されている。


 

●[FT]民主主義 危うい資本主義との“婚姻関係”  :日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM22H2F_S7A920C1TCR000/
「民主主義と資本主義は関連が実証されているだけではない。民主国家では全ての人が政治の意思決定に加わり、資本主義の下では誰もが自由に市場を利用できることが前提になるという意味で、ともに平等の理念に基づいている。

だが大きな違いもある。民主政治には国民の連帯が必要だが、資本家たちは愛国主義には関心がない。民主主義では全ての市民に発言権があるはずだが、資本主義では富める者が最も大きな発言力を持つ。

 

●1・27 世界資本主義フォーラム 資本主義の限界とオルタナティブ―資本主義終焉論にふれて― | ちきゅう座 http://chikyuza.net/archives/79852
「新自由主義とそのもとで深化している社会経済危機のいくつかの側面、たとえば少子高齢社会化、サブプライム世界恐慌、格差再拡大とそれらをのりこえるベーシックインカムの構想や地域通貨の試みなどのオルタナティブの可能性についても、資本主義そのものの作動原理に内在する歴史性やその矛盾に深くかかわるところとして、解読されなければならないのではないか。

 

●伝統・制度・思想に対する代替の道とは? オルタナティブ創造社会への挑戦 : FUJITSU JOURNAL(富士通ジャーナル) http://journal.jp.fujitsu.com/2018/09/14/02/
「オルタナティブな社会」
生物学者であるルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィが提唱した「一般システム理論」:「これまではシステムの内的秩序だけを考えれば良かったが、今後は環境との交流の中でのシステムの絶えざる変容を考慮しなければ、特に社会システムを正しく捉えることはできなくなりつつある」。

(大東文化大学 社会学部 教授 馬場 靖雄 氏)

ドイツの社会学者であるニクラス・ルーマン:「政治、経済、法、芸術などの各機能システム(は)自分自身の再生産(オートポイエーシス)によって閉ざされたシステム」。「したがって通常考慮される「環境」のさらにその「外側」に位置する出来事といかに遭遇しうるかが、我々にとっての課題」。

 

●政治のことは嫌いでも、民主主義は嫌いにならないで:朝日新聞GLOBE+ https://globe.asahi.com/article/11529962
「リベラル・デモクラシーは、コミュニズムやファシズムの挑戦を受けた戦前の反省に立って、資本主義と民主主義の両立をめざした。だが、時間が経つにつれ、二つが敵対する傾向に歯止めがかからない」。

戦後政治体制の枠組みとなったリベラル・デモクラシー(自由民主主義)を支えてきた前提が崩れているからだ。


「吉田によれば、リベラル・デモクラシーを支えたのは、戦後初めて社会の多数派になった中間層だった。しかし、中間層が1980年代以降、産業構造の変化などで縮減。加えて、既成政党がエリート化して民意を十分反映できなくなったこと、先進国の緊縮政策で社会が痛めつけられたことが同時に進み、リベラル・デモクラシーの変調につながった」。

 

●世界的に民主主義離れの傾向 崩れ落ちる平和の礎 - SWI swissinfo.ch https://bit.ly/2QKaLWE
「現在、世界中でオートクラシー化(独裁化)が広がっている」。

完全な民主主義:選挙制度が整い、自由と平等が保障され、市民が積極的に政治に参加し、社会がうまく機能している状態。39カ国(世界人口の14%)はこの条件を完全に満たしていた。
・選挙だけの民主主義:公正な選挙は行われているが、自由民主主義に特徴的な条件は一部しか満たしていない。56カ国(世界人口の38%)が該当。
選挙だけのオートクラシー: 選挙は行われているが、おおむね理不尽で不公平な社会を正当化するために利用されている。56カ国(世界人口の23%)がこの段階にある。
完全なオートクラシー: 選挙は行われるが、表面的な意味しか持たない。自由が保障されず、二大政党制のような民主主義的機構やメディアの独立性に欠ける。27カ国(世界人口の4分の1)がこの段階に分類された。

 

●オバマ氏が挙げる民主主義最大の敵 中間選挙へ異例演説:朝日新聞デジタル https://digital.asahi.com/articles/ASL9G46Y2L9GUHBI00Y.html
「民主主義の最大の敵は、ホワイトハウスの個人ではない。人々の無関心だ。

「人種、宗教。米国では多くのことが分断に利用されている。政治家は人々を怒らせ、脅かし、互いの憎しみを助長する。そして、自分たちと違う人々を排除すれば、秩序と安心は保たれると言う。古い戦術だ」。

 

●「日本の民主主義」が世界で評価されない理由 |東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/230953
「日本は民主主義国家ではあるものの、世界的には民主主義のレベルは「低い」とされています。この状況を変えられるのは、私たち国民一人ひとりです。」