●ポケモンGOの社会学・心理学

C:技術で/技術が/技術を(ICT:社会・法・制度論と技術文化論)

●「ポケモンGO」からみるIoT・モノとネットワークの本質とは? http://www.zaikei.co.jp/article/20160730/319478.html
ポケモンGOは、サイバーフィジカルシステム(CPS)を娯楽の世界に応用したもの。すなわち位置情報システムを活用することにより、現実世界そのものをゲームの舞台とするところが特徴。
ところで、この「CPS」とは実世界にある多様なデータや情報をセンサーネットワーク等で収集・集積し、その分析結果を現実世界にフィードバックするもの。要はモノのネットワーク「Internet of Things (IoT)」のことだ。
CPSは二面性を持っていて、それが新しい生活シーンを演出するのだが、まだまだ思いもよらない使い方が出てくる可能性を秘めている。二面性とは、「電子的なコミュニケーション・ネットワークの進化であるとともに、現実世界での(アナログ的な)なコミュニケーションの機会をも拡大」する、という点だ。

●「ポケモンGO」を社会学的に考えるためのヒント http://blog.szk.cc/2016/07/22/some-sociological-hints-of-analysing-pokemon-go/
物理空間には制約がある。そこへ位置情報をフックにして、情報空間を網掛けし、ゲーム空間に仕立て直した、つまりその物理空間が従来持ち得ようもなかった、新たな「意味」を付与したのが「ポケモンGO」の、社会学的視座からの重要な点だ。
重要なのは、Webインフラが準備する情報空間には制約がないため、「情報空間における意味の争奪戦」が起きうるだろう、という要素がある点だ。

話を一足飛びに進めると、現在西欧で起きている「ムスリムの統合」という課題がある。そこでの葛藤と模索、と同列のことが今後頻発することだろう。
同じ物理空間に寝起きし、生活をともにしながら、そこに異なる価値観、意味の体系(西欧近代の世界観 vs イスラームの世界観)が併存することに伴う、社会の緊張関係が「ムスリムの統合」という、西欧が抱え込んだ課題だ。
「ポケモンGO」に引き直せば、たとえば寺社仏閣が見せた反応がある。「場」を荒らされたくない、と考えるか、観光の観点から歓迎するのか。新たな「意味」の、自分があずかり知らぬところでの浸透に対し、「情報空間の争奪戦」が、深刻な課題として認識されるような事象が今後起きるだろう

●ポケモンの原点 ~ファミコンブームの社会学 http://ironna.jp/theme/603
「たかがゲーム、されどゲーム」。
「安易に法律で縛ってしまうのもやはり違う。そうすると、もうサービスを提供する任天堂側が、深夜時間帯にはポケモンを出現できなくするとか、公園や広場といった少々混雑しても事故が起こりにくい特定のエリアでしかポケモンを収集できなくするとか、ゲームの面白さは半減するとはいえ、何らかの「自主規制」以外にトラブルを防ぐ方法はないのではなかろうか」。
こういった観測記事こそが、「情報空間の争奪戦」の狼煙である。

●オリバー・ストーン監督「ポケモンGOは『全体主義』につながる」と批判 http://iphone-mania.jp/news-126809/
オリバー・ストーン氏の映画最新作「SNOWDEN(スノーデン)」についてのパネルディスカッションの場での発言。
ポケモンGOが「個人情報を収集している」と批判し、「ポケモンGOが行っているのはまさにこれだ。監視資本主義とでもいえるものだろう。
率直に言えば、ロボット社会の新たな形といっていい。あなたが何をしようとしているのかが把握され、あなたの行動にマッチするものが提供されるのだから。これはまさしく全体主義だろう」と述べた。

●ポケモンGOが「店舗」のマーケティングの常識を変えるかもしれない http://www.advertimes.com/20160721/article230300/
夏休み、鉄道各社が行う「スタンプラリー」と同じ発想の集客手法の、デジタル版として使えそうなのが、ポケモンGO。
「米国でも、飲食店がポケモンGOのキャラクターが発生しやすくなるアイテムを設置することで、ユーザーの来店するモチベーションを刺激し、売上アップに貢献しているという事例が出てきています」。

仮想世界のインセンティブにより、実際の世界のユーザーが特定の場所に「動く」ということは、当然店舗や施設にとっては非常に魅力的な集客手段になる可能性がある。

●ポケモンGO、小売各社が失敗してきたモバイル集客を軽々と達成 http://forbesjapan.com/articles/detail/13000
モバイルゲーム「ポケモンGO」は、プレーヤーを“外出させる”ゲーム。これまで、小売業者、店舗を持つ事業会社が苦労してきた、店舗への集客をやすやすとやってのける可能性を秘めている。
例えば、「ポケモンGOの将来の可能性を早く見てみたいものです。薬局に行けば自分のポケモンを回復させることができ、ファーストフード店に行けばモンスターの食べ物が手に入るようになるようなね」。

●「ポケモンGO」のビジネスモデル──仮想と現実が混じる時代のゲームの稼ぎ方 http://wired.jp/2016/07/26/pokemon-go-business/
オンラインゲームの新しい儲け方:ゲームというものは無料か、無料同然。「その代わりにゲーム会社は、プレイヤーになんとかお金を使わせるために、アプリ内課金やアップグレード料金に収益源を依存している。
これが、グーグルの元子会社で、独立したいまは任天堂からもかなりの投資を受けているナイアンティックがポケモンGOからお金を稼いでいる方法だ」。
ポケモンGOは現在、すでに1日100万ドルの利益を上げている=「ポケコイン」と呼ばれるヴァーチャル通貨を購入し、ゲーム内でアイテムと交換。「この通貨の売上が、ゆくゆくはナイアンティックの大儲けにつながる可能性がある」。

●「ポケモノミクス」が侮れない3つの理由 http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/281273/072500004/
・オンラインの「ネット消費/購買」は、人が動かずに済む点がメリットだった。その逆をやって見せた。
ポケモンGOには、ユーザーが「動く」ことに対するインセンティブが周到に用意されている=ゲームの最大の特徴、強みは「人間を動かす」こと。デジタル技術は人を「動かぬ」ようにも、「動く」ようにも、誘導することができることを証明した。
このことで、「通行量を前提にした「立地」の考え方も一部で覆る可能性がある。駅前や角地が商売上の一等地であったように、希少性の高いポケモンの巣に近いということが商売を有利にする可能性も出てくる」。
・ヒトを動かしているのはキャラクター。キャラクターというIP(知財)の育成は一朝一夕にはいかない
「ポケモンGOはイングレスの技術をベースにカスタマイズされたゲームなのだ。
ではイングレスとポケモンGOの違いは何なのか。ポケモンという「IP(知的財産)」の有無だ」。

・射幸性がない。
「特質すべきは、一般に「ガチャ」と呼ばれる、一定の確率で出るキャラクターやカードを獲得するための「くじ」の要素がこのゲームにはまるでない」。

●世界はなぜ「ポケモンGo」に夢中なのか、その心理学的な理由 http://wired.jp/2016/07/15/psychology-pokemon-go/
「同じゲームアプリであっても、ユーザーたちは、「トロフィー(戦利品や報酬)」のないアプリよりも、それらのあるアプリのほうに真剣に取り組む可能性がより高い」。
この「達成」感を求めて、人々はポケモンGO片手に外に出る。「ポケモンをより多く獲得すれば、自分のポケモン図鑑のデータが増えるだけでなく、すでに持っているものを訓練してレヴェルアップするためのリソースも得ることができ」るのだから。
「『ポケットモンスター』の生みの親、田尻智(現在ゲームフリーク社長)は、子どものころに好きだった昆虫採集と標本づくりからポケモンのアイデアを得た」。

●ポケモンGOに学ぶ、社会現象の起こし方 https://note.mu/taishibrian/n/n09df327f3993
「ポケモンGOのゲーム性は、フランスの思想家・ロジェ=カイヨワが示した「遊びの4要素」を忠実に守っています。人間社会における遊びの重要性は、ホイジンガ等によって指摘されています。子どもは遊びを通じて社会のルールを学び、他者との関係性や自己認識を成熟させていくという考え方です」。

社会を変えたければ、遊びを取り入れろ=「今後のビジネスや政治、社会運動においても、(ゲーム性は)様々な分断を結び付ける役割として期待できる」。

●ポケモンGO、心理学でひもとく人気の秘密 http://forbesjapan.com/articles/detail/12902
・昔、ポケモンのゲームやトレーディングカードで遊んでいた人々は、ポケモンゲームの再登場に大きなノスタルジーを感じる=「ノスタルジーは、過去に楽しんでいたことや、その時に一緒にいた人々のことを思い起こさせると同時に、未来の楽しい出来事への期待を生み出す」。
ソーシャル(社会的)な要素/群れの心理=「ポケモンGOは共通の話題で親睦を深める絶好のツール」/「人は自分だけ取り残されることを恐れるため、ネット上での人気ぶりを見ると、自分も参加したくなる」。

 

┃Others あるいは雑事・雑学

●ポケモンGOの兄弟であるイングレスが「大失敗」と言われてしまう理由(徳力基彦) http://bylines.news.yahoo.co.jp/tokurikimotohiko/20160722-00060232/

●【ジャストシステム調査】『ポケモンGO』利用者の半数以上が「運動の機会が増えた」と回答 テレビの視聴時間は30代の3割以上が減少傾向に http://gamebiz.jp/?p=165991

●ポケモンGOに殺されるアプリ市場と広告市場 http://bit.ly/29ZOMGJ

●「敷地内にポケストップ」を断りたい 削除要請すると、どうなるの? http://headlines.yahoo.co.jp/hl

●センスを感じる!伊勢神宮が説明したポケモンGO禁止の理由がファン心をくすぐる! http://feely.jp/48737/

●皇居内に『ポケモンGO』のポケストップが30箇所も指定されていることが発覚! http://hosyusokuhou.jp/archives/48069846.html

●「ポケモンGOのキャラ出現しないように…」鉄道各社が要請書を提出 http://trafficnews.jp/post/55216/

●ポケモンGOで全国の観光地はどうなったのか? 列島各地の光景 http://jimococo.mag2.com/zenkoku/9801?l=miz05207dc

●企業法務マンサバイバル : Pokémon Goの利用規約を分析してみた http://blog.livedoor.jp/businesslaw/archives/52465834.html