●ブランドファーストと「マガジン・メディア360°」

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●電子雑誌元年がやってきた--電子「部数」が紙を上回る雑誌も(前編) http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35085063/
dマガジンで一変した電子雑誌の世界。

成功の秘訣:
・ドコモという巨大キャリアの認証・課金基盤を使ったこと
・にも関わらずドコモと通信契約を結ばないでも使えるオープンID
・読み放題(サブスクリプション)であること
・雑誌単位だけでなく、記事単位で読めるUI
アナログの得意な「立ち読み」感覚と、デジタルでしかできない「記事単位のななめ読み」、この二つの創意工夫が相乗効果を生み出して、これまでにない電子雑誌サービスを実現した」。

●dマガジンで読める雑誌と、紙の雑誌と比較した収録率まとめ〜女性誌編 160502 http://namellow.hatenablog.com/entry/2016/05/03/150221
dマガジンで提供されている各雑誌が、紙の書籍と比べてどれくらい収録されているのかをまとめた。
・女性ファッション誌:対象誌数 32誌

・女性ライフスタイル誌:対象誌数 27誌

●東洋経済オンラインの成長の裏側を山田俊浩編集長が解説 http://logmi.jp/151328
・すべての記事を無料で提供、ログインも不要

・トレンドを独自の視点で斬る
「我々は『会社四季報』という媒体も出していますので、いろんなデータを集めています。そのデータを活用したランキングモノは定番になっています」。
・女性比率が高いというところが大きな特徴

・「プラットフォームに依存するんじゃなくて、お互いの読者に必要な情報を、お互いが汗を書きながら、必要なものはキュレーションしていきましょう、という手法」

●電子雑誌元年がやってきた(後編)--「紙雑誌は死んだ」から「だから何?」の時代へ http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35085575/
コミュニケーションのあり方の変化が、「出版」を新しいやり方(目的、効果、技術、ワークフロー、媒体)で再定義するよう求めている、そうしたニーズにどう応えるか、それが「電子出版」の意味なのではないか」。

雑誌の持つ「媒体力」についての考え方、そしてそうした「媒体力」と結びついた雑誌のビジネスモデルは、いま世界的に大転換を果たしつつある。 米国では雑誌ビジネスを、紙のメディア(雑誌)を作るためのビジネスではなく、コンテンツやサービスを利用者に届ける「ブランド」ビジネスとして再定義している。 ・チャネルは「紙」だけではない。 ・「デジタルファースト」さえも超えて、「ブランドファースト」へ向かっている 業界団体も、「マガジン・メディア360°」という指標を開発、このトレンドを後押ししている。 つまり、米国雑誌協会(MPA)は2014年から、紙雑誌と電子版の読者数に加え、ウェブサイト、モバイルサイト、そして動画のUV(ユニークビジター)を合わせた指標を公開(これらとは別に、ソーシャルメディアのファン数も公開しています)。360°、つまり全方位的に、ブランドとしての雑誌の「媒体力」を測ろう、としている。 (サイト:Magazine Media 360° is... | MPA http://www.magazine.org/magazine-media-360

日本にこのアイデアを反映させると、「東洋経済オンラインの月間UUは2135万。紙雑誌では、なかなかたちうちできない規模です。徳間書店は1411万、ダイヤモンド社は620万、双葉社は270万」。

●ハースト婦人画報社がデジタル事業に特化した子会社を設立 http://www.hearst.co.jp/whatsnew/Corp-160701-Hearst-Digital-Japan
日本でブランドファーストを実践している事例。
「従来の出版社から脱皮し、「雑誌も発行するデジタル・パブリッシャー」への転身をさらに加速するため、この度、デジタルメディア事業に特化した新会社を設立しました」。

●「今や雑誌は情報ではなく“雑貨”」――女性向けWebメディア「MERY」が紙の雑誌を創刊した理由 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1606/28/news053.html
「MERY」もブランドファーストから雑誌へ進出。
「スマホアプリが『すぐにできる』『私でもできる』『明日使える』ことを意識し、行動に移すことを前提としたものであれば、雑誌は自分の興味や関心、好みを形で示すもの」。

この法則・原理から最近では、Webやアプリから、“逆に”雑誌創刊に向かう事例も増えている。

●キュレーションマガジン「antenna*」がデザインを大幅刷新--2つのモードに集約 http://japan.cnet.com/news/service/35085148/
さまざまなコンテンツに出会える「antenna* モード」と、知りたい情報を逃さずチェックできる「フォローモード」の大きく2つに集約。

●デジタル時代の「ニュース」の隆盛から、ブランドが学ぶべきこと http://www.advertimes.com/20160705/article229038/
最も強力なコンテンツになるのは「事実としてのニュース」です。「Fact(事実)をValue(価値)にする」とはニュースリリースのプラットホームNews2Uが掲げるスローガン。
ブランドにとっての、隠れた価値を持つ「事実」:歴史や過去の事実/時事的な行事/従業員や関係者が語る事実/統計的な事実/ユーザーや消費者の意見/業界関係者の意見/業界のビジネスやエコシステムに関すること/業界を取り巻くマクロなトレンドに対する自社のスタンス/ブランドの価値観に関する逸話。
ここにもブランドファーストの視点が。

●メディアとプラットフォームの離れられない関係。ユーザーは誰のものか? http://bit.ly/29xdmxd
「プラットフォームにとっても、ユーザーが定期的に訪れ、エンゲージメントを深めるきっかけとして、メディアが継続的に配信するニュースコンテンツは不可欠」。

●少年サンデーはなぜここまで凋落したのか、とある漫画が説明! http://yaraon-blog.com/archives/87302

●「共同運営マガジン機能」が使えるようになりました!|note公式|note https://note.mu/info/n/n0e79f2f571df
複数人で共同でメディアを運営できる「共同運営マガジン機能」。複数人で有料メディアを運営して、売り上げを分配できる。

●日本人のニュースメディア接触、先進国の中で際立つ特異性、ロイター調査が浮き彫りに http://zen.seesaa.net/article/439047519.html
海外では、21世紀に入るころから、新聞やTV・ケーブルの伝統メディア会社がオンラインニュース・サイトにも積極的に進出し、成長してきた。一方日本の伝統メディアは、カニバリズムをあまりにも気にして、オンラインニュースの取り組みは非常に消極的であった。
「そのためネットビジネスのノウハウで秀でていたヤフーニュースが、強い競争相手なしに思う存分に市場展開でき、同社にとって収益性の高いビジネスモデルを確立し、市場を完全制覇してきた」。

●新しいウェブ世界構築のための議論 http://magazine-k.jp/2016/06/22/decentralized-web-summit/
「2016年6月8日〜9日にサンフランシスコのインターネット・アーカイブの本部で開かれた「非集中型ウェブ・サミット: ウェブをオープンにしよう」(Decentralized Web Summit: Locking the Web Open)はニューヨーク・タイムズ、フォーチュン、ニューズウィーク、インクワイアラ―などの紙面を飾った」。

(photo by Brad Shirakawa)
・非集中型ウェブを実現するための既存の技術としては、JavaScript、公開鍵暗号、発信者への支払いシステムとしてのBitCoin、分散システムを実現する技術としてBitCoinをサポートする技術であるBlock Chainなどが考えられる。
・インターネット (コンピュータ通信のハードとソフト) は分散型で共同運用されているにもかかわらず、その上で動くウェブ (ブラウザを通じて情報を流す仕組み) は集中管理されている。ウェブには持続性がなく、またプライバシーがない。これを非集中型のものとして再構築すべきである。

●FT が刷新する「データ可視化」へのアプローチ:グラフはページを飾る手段ではない http://digiday.jp/publishers/financial-times-guide-data-visualization/
「FTによるソーシャルメディア活用の目的は、新しい読者を引きつけて、さらに深い分析に誘導するための入口にすることだ。グラフィックが自己完結型であれば、ソーシャルでもうまく機能する」。

たとえば「日本の高齢化に関する比較的目立たない記事は、必ずしも広範な関心を呼ぶものではないため、FTは最初からソーシャルメディア専用のグラフ動画を作成して、より興味深いいくつかのデータを強調した」。

●"インターネットテレビ局"からなぜ撤退?ハフポNY本社を直撃!  http://www.huffingtonpost.jp/toshihiro-shimizu/huffingtonpost-newyork_b_10854204.html
「日中にライブ配信を見る一般の人は実に少ない。しかし、技術の費用はかなりの額がかかり続ける。生配信した番組はアーカイブにしていたが、それを見る人も残念ながら多くはなかった」。
「インターネットでベストのネタというのは誰にもわかっていないんだ。ただ言えるのは、私たちが目指しているのは『情報を与えること』と『楽しむこと』といった使命を達成すること。この基準でコンテンツを作り続けるよ」。

●夜、図書館を移動しながら本のデータをスキャンする自律型ロボット http://social-design-net.com/archives/28666
シンガポールの「Institute for Infocomm Research」。
夜の図書館を動き回り、RFIDリーダーが書籍をスキャンし情報を取得。WiFiやBluetoothを経由してその情報を送付する、自律型ロボットを開発した。

●「アーキビスト」育成急げ 歴史資料の有効活用担う 公文書の収集・保管 国際的に遅れ http://www.nikkei.com/article/DGKKZO04334320R00C16A7BC8000/
「米国では市民が公文書を活用するのは当然の権利との意識が根付いている。職員がつきっきりで補助する充実ぶりに、保坂教授は「日本の管理体制は下手すれば100~200年は遅れている」とため息が出たという」。

●「デジタルアーカイブ」を考える―「日本」がそのアイデンティティを取り戻すために http://digitalnagasaki.hatenablog.com/entry/2016/07/01/035810
「今日」は「昨日」がなければここにない。
「それほど重要でない情報も含めた大量の資料に容易にアクセスできるようになることは、ややもすればメジャーな資料に偏ってしまいがちな認識から、世界・社会が常に多様性であってきて、色々な方向に進む可能性を常にはらみながら現在に至っているということを具体的に認識する契機に」なる。

●(図書館考)ドイツ編:下 税金で作家に補償金 貸し出し回数に応じ生計支援 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12408975.html?rm=150
出版物には税金で賄うだけの公共性があるという理念が、国民の間に共有されていることが大事」。
公共貸与権」=「旧西ドイツでは1972年、作家らの要請を背景に著作権法が改正され、図書館で貸し出された書籍の著作者に一定の補償金を支出する仕組みが導入された」。

●著作権法に対するハックでもあるクリエイティブ・コモンhttp://ascii.jp/elem/000/001/187/1187213/
インターネット以前の20世紀的な表現の原理がパッケージ化だとすれば、インターネット以降の21世紀的な表現の原理はモジュール化。そのモジュールの生成、流通、変転を円滑にするのが、クリエイティブ・コモンズ。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは15年以上の歴史があるが、時代の状況合わせてあたかも生き物のように変化していて、今回のバージョンアップで4.0。
「ドワンゴの「ニコニ・コモンズ」とかクリプトン・フューチャー・メディアの「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」は、クリエイティブ・コモンズを下敷きに作られたりしています。クリエイティブ・コモンズの精神や思想のDNAはミーム(文化的遺伝子)としてさまざまなところに拡散している」。

コモンズは社会の「余白」であり「編集が起動できる場」である。
「レヴィ=ストロースの「ブリコーラジュ」的な考え方ですね。なぜすべてが私有になってはいけないのか、どうして公道や公園といった公共圏や公共財が人や社会には必要なのかということを、もう一度よく考える必要はあると思います」。