デジタル教科書の国際標準「EDUPUB」 第5回 【セミナー備忘録】(上)



(個人用のメモです。議事録ではありません。記事中の図画はプレゼン公開資料を使用しています。また自分用にまとめている関係で、登壇順というより、内容をシャッフル、統合しています。そしてその際ひとつひとつにどの講演者の発言であったかの注記はしていません。)

JEPAセミナー:デジタル教科書の国際標準「EDUPUB」 第5回

http://www.jepa.or.jp/sem

■概要
・ご挨拶 吉井 順一 氏 (IDPF理事)
・ICT CONNECT21のご紹介 稲葉 雅昭 氏(ICT CONNECT21事務局長)
・EDUPUB Phoenix 2015 報告 田村 恭久 氏(上智大学、JEPAフェロー)
・IDPF、W3Cのデジタル教科書、教材関連標準化動向 村田 真 氏(JEPA CTO)
・EDUPUB Profile解説 高瀬 拓史 氏 (イースト)

■講演詳細
日時:2015年3月11日(水) 15:00-17:30
会場:飯田橋:研究社英語センター 地図
主催:日本電子出版協会(JEPA)

EDUPUBとは

おさらいをしておくと、EDUPUBは、EPUBを教育分野のコンテンツに応用しやすいよう、教育界のニーズを組み上げた内容に拡張するための活動のこと。

EPUBは、電子書籍の規格のひとつだが、いまや世界で最も普及した、またISO/IECから“Technical Specification”として認定・公開された電子書籍の「標準フォーマット」。それを所管している組織がIDPF。

このIDPFと、米国のデジタル教育関係の標準化団体であるIMS Global Learning Consortium 、さらにWWW(Web、ウェブ)で利用される技術の標準化をすすめる国際的な団体、W3C、この三者が共同で拡張内容を協議している。

議論の対象項目は、すべてが目新しいものというわけでもない。(もちろんはっとさせられるような新基軸、新発想もある(後述))。だが世の中ですでに実現されているものがあるとしても、それはいずれも「クローズド」なものばかりだ。端末に、ビューアーに、アプリに閉じ込められている。

EDUPUBが目指しているのは、オープンでロヤリティも取らない、「公共財」としての世界標準の仕様・規格。教育のデジタル化のコストを下げる、普及の障害を取り除く、それが最大の特徴となる活動だ。

協議の一環としてのワークショップ、あるいはセミナー形式での中間報告はこれで五回目。

第一回:2013年10月29日~30日 米国・ボストン  (EDUPUB2013)
第二回:2014年2月12日~13日 米国・ソルトレイク(EDUPUB 2)
第三回:2014年6月19日    ノルウェー・オスロ(EDUPUB Europe 2014)
第四回:2014年9月16日~18日 日本・東京    (EDUPUB Tokyo2014)
第五回:2014年2月26日~27日 米国・フェニックス(EDUPUB Phoenix 2015)

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2015年3月11日のJEPAセミナーは第五回の報告を主眼にしたもので、あわせ、日本国内で教育用のデジタルコンテンツ(教科書、教材、教師用教科書 他)の仕様標準化とその活用を促すために設立されたICT CONNECT21の紹介が行われた。

1.ご挨拶 吉井 順一 氏 (IDPF理事)

・IDPFの世界に14人いる理事の一人が吉井さん。
・IDPFはボランタリーベースの役務の提供と寄附で成り立っている団体。日本企業、団体からの参画を歓迎します。
・EPUBとそれを使った電子書籍、そして電子書籍販売サイトが登場した折、「黒船」という言い方がよくなされた。しかしむしろ、これは「鉄砲伝来」になぞらえられるべき事象。「うまく使いこなして欲しい」とのメッセージ。
(果たして長篠の戦いを制した信長になるのは、日本では誰になるのでしょうか)

2.ICT CONNECT21のご紹介 稲葉 雅昭 氏(ICT CONNECT21事務局長)

・ICT CONNECT21は昨日総会が開かれたばかりの、とてもホットな団体。
・「CONNECT」は、「Collabration Open Network for New Educational Concept with Technologies」の略。(これ、うまいこと考えましたね)
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・官民学が一緒になって、世界的にみて遅れている(※)日本の「小中高」の教育のデジタル化を早急に進める、その旗振り役の団体がICT CONNECT21。2020年度を目標として、文科省が青写真を作っている「一人1台学習端末」を具体化するための組織。
・※下記動画URLで訴求しているポイント。ブロードバンドの普及率や、またそのコストレベルは世界最高レベル。ところが勉強のためのインターネット閲覧では、世界の中でとても低い段階にあるのが、日本の現実。

・具体化が主眼であるため、「規格標準化」と「普及促進」が最大のテーマで、組織編成も幹事会、ビジョン委員会、技術標準化WG、普及推進WGの4つ、となっている。
・技術標準化WGはEDUPUBの活動と重なる部分があるが、ICT CONNECT21ではさらに、「校務系」を扱うサブワーキンググループ(SWG)も準備している。
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・普及推進WGは世論喚起や産業化をも展望していて、ICTを梃に日本の教育産業の世界展開(輸出)にまで持っていく狙いがある。
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◆関連クリップ

●ICT CONNECT21のご紹介 http://www.slideshare.net/JEPAslide/20150311icon
●EDUPUB Phoenix 2015 報告 http://www.slideshare.net/JEPAslide/20150311-tamura

●ガイドブック「1人1台の情報端末。ここから始めてみませんか?」改訂版 - 学びの場.com http://www.manabinoba.com/index.cfm/7,21984,17,162,html
●日本のICT教育・学習利用の現状と課題 (Current Situations and Issues of ICT Use for Education and Learning in Japan) http://www.slideshare.net/nobushigehichibe/150211-ict-education
学校内で 勉強のための PISAhttps://society-zero.com/chienotane/wp-content/uploads/2015/03/学校内で 勉強のための PISA-300x253.jpg 300w" sizes="(max-width: 883px) 100vw, 883px" />