知のパラダイムシフト

●「出版」をなくせばうまくいく? 出版モデルの課題

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●「出版」をなくせばうまくいく?本を書いてわかった出版業界のビジネスモデルが抱える課題 http://kuranuki.sonicgarden.jp/2015/02/books.html

運に頼った牧歌的な書籍のマーケティング。「こうした出版業界に起きている矛盾や問題の根本を探っていくと、「出版」という行為そのものがあることが原因となっているように気付きます」。(2015年「ITエンジニア本大賞」にて『「納品」をなくせばうまくいく』が大賞を頂きました | Social Change! http://bit.ly/1E2ZTcI )

★E-Book of Malcolm X Autobiography Expected by May http://www.nytimes.com/aponline/2015/02/20/arts/ap-us-books-malcolm-x.html
50年前に暗殺された公民権運動家マルコムX、その自伝が遺族の手により出版社を通さない、一種の自己出版で電子書籍化。また自筆ノートなどもデジタル化の計画が。

●日本独立作家連盟がNPO法人に http://rashita.net/blog/?p=15525

自己出版の3パターン:商業出版に乗りにくい企画を世に問う/作家による流通の中抜き/「売れるとか売れないとか気にしない」というもの。とりあえず「本を書きたい」という意欲を満たせばOKで、それを(趣味・興味が)近しい人が読んでくれればそれで満足なタイプ。

●出版不況でも「全集」活況の背景 「世界文学全集」異例の40万部 「より深く考えるコンテンツを」 http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1502/23/news051.html

自身が異例のベストセラー本を出しているピケティが指摘する、「所得二極化」の象徴的事例か。あるいは「キュレーション」的価値に対する評価か。池澤夏樹氏が個人編集した、河出書房新社の「世界文学全集」が異例の40万部の売り上げ。「続く日本文学全集は、文芸単行本の初版部数が4千~5千部という例が多い中、第1回配本の「古事記」は初版2万5千部、2月初旬までに版を重ね5万部が売れた」。

●「一人出版社は、本の編集者 + エンジニアでうまくいく。」 http://society-zero.com/chienotane/archives/267
「最大の課題は、媒体力で、どうやって「本」の存在を知ってもらい、詳しい情報にアクセスしてもらうか、ここだけは技術では解決できない部分で、最も難易度の高いプロセスだといえます。ですから、一人出版社は、長期戦で出版計画を考えていく必要があります」。

●フリーランスWEBデザイナーという職業も無くなる4つの理由 http://blog.btrax.com/jp/2015/02/22/freelance-web-designers/

一人出版社のエンジニアが知らなくてはいけなことがある。ネットの普及が進めば進む程、実はビジネスにおけるサイト自体の重要性が下がって来ていること。「モバイルやウェアラブルなどの複数のデバイスに対しの状況提供において、最も最適な利用体験を与える事がデザイナーの仕事となるだろう」。

●池澤夏樹電子全集プロジェクトにたずさわって http://www.dotbook.jp/magazine-k/2015/02/26/ikezawa_natsuki_e-books_collection/

本は誰かに読まれること、それも持続して読まれることを、求めている。池澤夏樹氏の作品ですら、「多くは品切れ状態だったものが(電子化を契機に)蘇ったものだ。まだ小規模だとはいえ、これは池澤夏樹の作品のアーカイヴとしての機能を持つようになってきた」。作品として書かれたテキストは最初の文字から最後の文字まで、順序ただしく連なっている一本の紐のようなもの。本ではそれが別様にレイアウトされるが、電子化では、もとの姿に戻る。そのことで、読む人が使う機器によってレイアウトを可変的にできる。読む人の好みに変えることができる。「構造化」の果実、だ。

●情報の構造化@Linked Open Data連続講座(2014.6.2) http://www.slideshare.net/ikki.ohmukai/140602-lodlecture
ただオープンにしてもダメ。コンピュータ処理可能なフォーマットで、つまり構造化されたデータで公開されることが必要。情報、知識の流通が知の再生産に資するためには。「吾輩は猫である」を事例に、大向さんが解説。

●なんのために書籍を書くのか 〜 経営者にとって書籍を書くことはビジョンを伝える手段の一つ http://kuranuki.sonicgarden.jp/2015/02/why-i-wrote-my-book.html

「書籍」を何かの支援ツール・手段と考えてはいけないのか。

●定期券なら東横線がスマート!|東急電鉄 http://www.toyokosen-smart.com/

ポスターなどのキービジュアルは安野さんの代表作『働きマン』の主人公・松方弘子。「働きマン」「ハッピー・マニア」などで知られる人気マンガ家の安野モヨコさんと東急東横線がコラボ。沿線ガイドの小冊子5万部を無料配布。その内容コンテンツはWeb上、『東横線でスマート!寄り道セレクトNAVI』でも展開。書籍・雑誌を支援ツールとした事例。

●Gunosy、集英社と提携しジャンプ作品の配信へ http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1502/27/news096.html

ニュースキュレーションアプリ「グノシー」上に、コミックサービス「少年ジャンプ+」の作品や、「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」など週刊少年ジャンプの人気作が日替わりで掲載される。

●第24回 TSUTAYA 本部施策で売上倍増  衝撃ネット小説のいま http://www.shinbunka.co.jp/rensai/netnovel/netnovel24.htm
ネット小説系書籍の読者とライトノベル読者のほうが重なると推定したが結果は違った。データマイニングの結果、一緒に買っているのは国内文芸などの一般小説。「一般文芸書は棚の回転率が著しく低下し、売上げも厳しい状況だった。だが、ネット小説はシリーズ複数巻での購入需要が大きく回転率が高いジャンルとして存在感を増し、14年末までに売上げは約2倍に伸長。現在では金額ベースで文芸書の全売上げの25%以上を占める」。

●丸善や文教堂で紙の本を購入→将来、電子版を買う時に5割引~ISBNで照合 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20141208_679297.html

紙を売るために、電子を利用する、中古本を利用する発想。紙の本の購入者を対象に、同じ本の電子版を半額で提供する「読割50」。また新刊本の購入資金を捻出するサービス、中古本買取をスタート。

●3万冊超「MUJI BOOKS」を導入 キャナルシティ博多店リニューアルオープン http://www.fashionsnap.com/news/2015-02-24/muji-books-hakata/

「「MUJI BOOKS」は、料理の基本になぞらえた「さ(冊)し(食)す(素)せ(生活人生)そ(装)」の5つのシーンで提案する書棚群や、「無印良品」のルーツであるグラフィックデザイナー田中一光の自宅蔵書棚を配置。「ごはんと本」など商品と本を組み合わせた企画編集棚「と本」は、「MUJI BOOKS」のエリアだけではなく店舗全体を使って展開し、オープン時は14テーマで構成する予定だ。企画や選書、運営は、編集者で著述家の松岡正剛率いる編集工学研究所が手掛ける」。

●無料でダウンロードできるIT技術系電子書籍(EPUB/PDF)一覧 http://www.buildinsider.net/hub/ebooksfree/01
「紙の書籍ではあり得ないが、電子書籍であれば無料で提供されているものもある。本稿ではそんな「無料でダウンロードできるIT技術系電子書籍」を一挙にまとめて紹介」。

●デジタル新聞ダイレクト http://www.d-newsdirect.com/
ハイブリッド書店「honto」の姉妹サービス。専門紙・業界紙の電子版を提供する。デジタル版ならではで、1部だけの購入ができるほか、バックナンバーの購入も可能。

●有料イベントで人つなぐ 新興メディア、出会い提供 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO83290400X10C15A2000000/

専門性の高い記事に特化。そこにマネタイズ・モデルを立ち上げる発想。書き手と読者を結ぶ地点がキャッシュ・ポイント。サイトにクレジットされている編集者・ライターは平野氏を含めて6人。社員ではなく、それぞれブログを運営するなど個別で活動しているフリーランスだ。独自のネットワークを持つ目利きがチームとして取材活動を行っている。ただし、「コンテンツそのものにお金を払うのではなく、検索するという便利さにお金を払うようになった」。「ページビューは死んだ。1億ページビューを稼いでも、やってられないレベル。キャッシュポイントをコンテンツだと思っていたら終わる」」。「特定の人に役に立つ情報でなければ生き残っていけない」。

●ニュースを真面目に分かりやすく「THE PAGE」、元ヤフトピ・奥村氏の思いが形に http://dot.asahi.com/tokyo-it/2015030300002.html

『ヤフートピックスの作り方』(光文社新書)の筆者で、ヤフー傘下のニュースサイト「THE PAGE(ザ・ページ)」運営会社で社長をつとめる奥村倫弘氏。「新聞の専門的な解説記事のように“議論”を提起するような内容は少なく、あらゆる記事が“分かりやすさ”を重視して書かれている」。広告収入頼りのモデルで生じるランキング志向の発想ではなく、「時間を浪費させるだけではないコンテンツ」、が編集方針。

●ニューヨーク・タイムズが「紙」の編集会議を廃止し、デジタルに専念する http://bit.ly/1a1vwqE

紙から電子に切り替えた途端、時間の観念が変わった。「デジタルプラットフォームを、紙の締め切りの束縛から解放するためのものだ。我々は優れた記事の大半を、夜遅くではなく、タイムズのデジタル読者がもっとも多い時間帯、朝7時から夜7時までの間に配信する」。そして「独自記事(エンタープライズ・ピース)」を重視する。ニュースリリースなどの発表によらない、独自取材による深掘り記事を。

★Dean Baquet: NYT will retire ‘system of pitching stories for the print Page 1′. http://www.poynter.org/news/mediawire/321637/dean-baquet-nyt-will-retire-system-of-pitching-stories-for-the-print-page-1/
新聞の「1面」は媒体の「顔」であり、記者達の「人事評価の根拠。指標」ともなる重要な概念。この概念を打破することなしに、デジタルファースト体制へは移れない。移ったとは言えない。だからNYTimesが日に2回(朝刊用と夕刊用)開催されていた「Page 1」会議を止めたのは、移行を象徴する事件といえる。

●Flipboardが指し示す「メディアの未来」 http://toyokeizai.net/articles/-/61053

コンセプトは、メディアとキュレーションで作る新しい「雑誌」。「ニュースソースはオンラインであり、メディアを横断的に記事を集めることができるという、紙の雑誌にはできないデジタルらしさ」。さらにユニークなのが、「記事を分類しながら、自分で「雑誌」を作れる」点。

●新聞の発行部数が1年で激減 朝日新聞は40万部、読売新聞は60万部 http://news.livedoor.com/article/detail/9822428/
2014年度下期(6月~12月)における新聞の発行部数。一方広告単価を引き下げることで、紙面広告の出稿量はほぼ横ばい。ただし単価で解決できない特性がある、つまり、「新聞広告は、アクセス解析ができない」。