●本がデジタル化されるとはなんの謂いぞや

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●機械が「読む」時代の知に対応するために « マガジン航[kɔː] http://magazine-k.jp/2016/02/12/more-machine-readable-books/
Google検索の裏側で人工知能が作動している。ディープラーニング、自律的学習する段階にはいった人工知能だ。自律的学習をするためには、模範となるデータが大量にあるほうが有利。ここで英語と日本語とで、おおきな差が生まれていることに気を付けなければならない。
本のデジタルデータが、英語圏ではGooglebooksプロジェクトのおかげで数千万冊の規模に至っているのに対し、日本語の本はせいぜい数十万冊しか格納されていない。検索を通した「知の流通と知の生成」の生産性に大いなる落差が生まれる懸念。

★Google launches e-book 'experiment' | The Bookseller http://www.thebookseller.com/news/google-launches-new-store-for-mobile-first-books-321998
Webブラウザ専用の電子書籍コンテンツのみを販売する電子書籍ストア「Editions at Play」。
電子書籍世界標準EPUBHTMLの塊だ。なら、いっそWebブラウザの住人にしてしまえ、という活動が静かに進んでいる。その象徴的な事件。クローズ(書籍=EPUB)とオープン(ネット世界=HTML)との入れ子構造をどう構築するかが、これからの「知の流通」に重要。

●[視点]EPUB 3.1のドラフト版を公開とコンテンツ側の課題 http://on-deck.jp/archives/20153502
構造化データを自ら保有しておく、メタデータも構造化データのひとつとして整備しておく。そういうことがされないまま、EPUB電子書籍が積み上がった、とりあえず、「日本の電子書籍市場も離陸し始めた」、と思った矢先の暗雲。
官報も、財務諸表も、またグローバル展開している企業の製品説明書やカタログも、すでに構造化データで作られている。つまり日本の印刷会社には、XML、CMSの知識やノウハウが有るのだ。ところが、どういうわけか出版社を相手にしている印刷会社さんにそれがない、あるいは知っていても「それ、もっとこうされたほうがいいですよ」と出版社に言ってくれない。だから中小出版社は構造化データやメタデータの重要性に疎い傾向。疎いと二重手間の可能性が。
暗雲に嫌気して、電子書籍出版作りへの情熱に陰りが出て来なければよいが。。。。

●Google Ngram Viewer |EdTechPedia http://society-zero.com/chienotane/archives/3560
書籍に含まれる単語やキーワードの時系列の頻出状況をグラフにしてみせてくれるサービス。GoogleBooksプロジェクトの成果物。しかも個別の本へも辿りつける(19世紀の本へも!)。
たとえば「電気自動車」:次世代自動車として脚光を浴びている「電気自動車」だが、自動車の歴史からいうとリバイバルという側面が実はある。つまり、19世紀後期の段階で、蒸気自動車から当時の「次世代車」としてガソリン車とともに電気自動車も選択肢のひとつにあったのだが、そのことが下記の折れ線グラフからも読み取れる。

●ドコモ、絵本の読み放題サービスを「スゴ得コンテンツ」で提供 https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/notice/2016/02/01_00.html
「絵本ナビプレミアム for スゴ得」は、絵本ナビが「スゴ得コンテンツ」向けに提供する絵本の読み放題サービス。電子書籍だけでなく、絵本をもとにした動画「絵本ムービー」(3月上旬配信予定)や、児童書に関するニュースやコラムも閲覧できる。

●Amazonが電子書籍リーダーKindleの大型アップデートを2016年2月に実施、新機能はこんな感じhttp://gigazine.net/news/20160204-kindle-update/
ホームスクリーンのパーソナライズ:最近読んだ本の表示や、アマゾンほしい物リストにある本の表示。また、よく使われる飛行機モードや明るさ設定などがアクセスしやすくなる。

●Amazon.co.jp、2015年の「Kindleストア」出版社別・年間売上ランキング上位30社を発表~No.1はKADOKAWA https://netatopi.jp/article/1001617.html
ランキングは、2015年のAmazon.co.jpにおけるKindle版電子書籍の希望小売価格×販売数で集計したもの。残念ながら実売金額は非公表。順位のみのランキング。

●出版不況は終わった? 最新データを見てわかること http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35077597/
出版不況というのは雑誌が売れなくなった。ということで、電子を加えるとすでに不況ではない。という分析。だからコミック雑誌に強かった太洋社は廃業し、大手出版社はコミック電子版で海外進出をはかる、のか。

●メディアドゥ、政府と民間の協力プロジェクト「JAPAN LIBRARY」作品を海外電子図書館へ http://www.mediado.jp/corporate/1298/
日本の様々な書物を英訳する官民連携のプロジェクト「JAPAN LIBRARY」で英訳された電子書籍を、米・OverDriveを通じて、海外の電子図書館に販売を開始する。

●中堅の出版取次業者株式会社太洋社自主廃業視野、説明会開催へ 大型倒産速報 | 帝国データバンク[TDB] http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4137.html
コミックの太洋社」と言われるなど業界での評価は高く、2005年6月期には年売上高約486億6700万円を計上していた。 しかしウェブ情報の台頭で雑誌販売の落ち込みが顕著となるなか、2015年6月期の年売上高は約171億2100万円に減少。同期までに10期連続減収、6期連続経常赤字を余儀なくされるなど、業況悪化に歯止めがかからない状態が続いていた。

●売れない訳だ。大手旅行誌の元編集長が暴露する出版不況「負の連鎖」 http://www.mag2.com/p/news/142148
悪のスパイラルに陥って久しい、と。
旅行雑誌の生命線は、第一に「紹介施設探し」。これは手間暇かかる仕事。
「出版社としては、雑誌が売れなければ、制作予算を削って利益を確保しようと考える。 人件費も削らないといけないから、編集や取材に携わる人数も減る。予算がなければ現地取材に行くことが難しくなるし、社内の記者が少なければ外部スタッフに撮影から執筆までの一切を外注することが多くなる」。
そして記事の「」が落ちる。質が落ちれば、ネットから得られる情報に対抗できようはずもない。

●『ku:nel』の失敗と「SNSは緩慢な自殺なのか」問題【第85回】 https://cakes.mu/posts/12220
雑誌がリバイバルして、書評「炎上」が起きた例。1月20日に発売されたマガジンハウスの雑誌『ku:nel』のリニューアル号に対する、アマゾン・レビューによるバッシングについて。総数342(2月11日現在)のうち、★ひとつが304。

●なぜビジネス書は売れなくなったのか http://president.jp/articles/-/17260
ビジネス書「ドクサ」化について。「ドクサとは、古代ギリシア語で「人間を絶えず惹きつけるが、必ずしも幸福にしないもの」」。
戦後ある時期まで、高度成長が続いた。その時期はビジネス書の教えを少しやってみると意外と効果が出たりした、教えのせいかどうかは別にして。ところが低成長時代になると、ことはそう簡単にはいかなくなった。
この結果、ビジネス書は「劣等感を植え付ける本」になってしまった。

●Amazon、リアル書店と書店以外の実店舗を複数展開か http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1602/04/news062.html
まだ、噂だが、「客が商品棚から商品をピックアップするとその客のAmazonアカウントで自動的に決済され、レジに並ばずにそのまま店舗から出られるようにするテストが行われている」?

●『電子辞書のすべて』刊行 日本電子出版協会(JEPA)著、NextPublishingで発行! http://news.biglobe.ne.jp/econ…/…/prt_160209_3342118859.html
電卓型からCD-ROM、ハンディな専用端末、ダウンロードアプリまで。「2015年は日本初の辞書CD-ROM『最新科学技術用語辞典』(三修社)の発売から30年目の節目でもあった。日本電子出版協会としてはこれを機会に、電子辞書の歴史、特徴、問題点等を一冊の書籍としてまとめることを企画し、電子辞書テーマを扱う「レファレンス委員会」メンバーがその執筆にあたった」。

●読み上げソフトユーザーへの情報保障のためのプレーンテキストデータの書き方について http://code.kzakza.com/2016/02/info_txt/
機械が「読む」時代は、本のデータの生態への配慮が重要に。何をテキストデータに選ぶかが死命を制する。小林徳滋氏は、「文字コードはShift_JISには大きな疑問ありです。Shift_JISには円記号問題、半角カナ問題、全角・半角、例えば拡張ラテン文字さえもまともに表記ができないなどの欠陥があるし、できるだけ早く誰も使わないようにするのが望ましいと思います」、と。