子殺しが起きる種、起きない種

フルディの仮説は、その後の研究で支持された。そして、哺乳類の中で最も子殺しが広くみられるのが霊長類である。

ただし、すべての種で子殺しが頻繁に起こるわけではない。ニホンザルでは五十年以上の野外研究で子殺しはほんの数例しか報告されていない。また、チンパンジーでは子殺しの頻度に大きな地域差がある。


■参考文献
『女性は進化しなかったか』  サラ・ブラッファー・フルディ 加藤泰建・松本亮三訳(思索社、一九八二年)原著一九八一年

『野生チンパンジーの世界』  ジェーン・グドールI):イギリスの動物行動学者、霊長類学者。環境問題での活動でも知られ、二〇〇二年に国連ピース・メッセンジャーとして任命された。また二〇〇三年にエリザベス二世より、霊長類学研究に対し大英帝国勲章を授与され、二〇〇七年には京都大学から名誉博士号を授与されている。
・ジェーン・グドール | 国連広報センター
http://www.unic.or.jp/activities/celebrities/peace_messengers/goodall/ [編集部]
 杉山幸丸・松沢哲郎監訳(ミネルヴァ書房、一九九〇年)原著一九八六年

『ヒトはどのように進化してきたか』  ロバート ボイド、ジョーン・B・シルク 松本晶子・小田亮監訳(ミネルヴァ書房、二〇一一年)原著二〇〇二年

『人間性はどこから来たか——サル学からのアプローチ』  西田利貞(京都大学学術出版会、一九九九年)

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I. :イギリスの動物行動学者、霊長類学者。環境問題での活動でも知られ、二〇〇二年に国連ピース・メッセンジャーとして任命された。また二〇〇三年にエリザベス二世より、霊長類学研究に対し大英帝国勲章を授与され、二〇〇七年には京都大学から名誉博士号を授与されている。
・ジェーン・グドール | 国連広報センター
http://www.unic.or.jp/activities/celebrities/peace_messengers/goodall/ [編集部]