答えなき「道徳・義務論」同士の争い

ここにわたしたちは、互いに相容れない二つの道徳・義務論を見る。はたしていったい、どちらが本当に道徳的な〝前提〟なのだろうか?

結論から言えば、これは決して答えの出ない問いである。「道徳・義務論的アプローチ」は、何が道徳・義務かという問いから始める限り、検証不可能な前提を置かざるを得ないのだ。


■参考文献
『どのような教育が「よい」教育か』 第二章・第二節 欲望論的アプローチとその優位 苫野 一徳 二〇一一年

『「自由」はいかに可能か』 第四章・第一節 ロールズ 「道徳・義務論的アプローチ」の問題  苫野 一徳 二〇一四年

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