精神医学と人工知能

精神医学と人工知能は深い関わりがあります。構造主義の成果を人工知能は取り入れています。

精神医学は、人間の精神の構造を医学的見地から探究して来ました。人間の精神の運動や、その深層にあるものについて仮説を立て、治療方針を打ち出し、患者さんの精神の病に向かい合って来ました。その知見が人工知能の構築においても重要なのです。

ラカンにせよ、フロイトにせよ、人間の精神構造の構築に果たす、言語の力に注目していました。言語構造が精神構造をある程度構築しているからです。

人工知能の精神構造においても、そのような言語の網を無意識の領域に張り巡らせることが重要です。それは世界の受け止め方を根底で定義しているからです。


■参考文献
改めて知りたい、人工知能とは何か?:新刊『人工知能のための哲学塾』第零夜(前編)」三宅陽一郎 二〇一六年

人工知能で人間を写し取る」 三宅陽一郎 芸術科学会会誌 DIVA第40号(2016年夏号)

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。

人工知能と人工知性
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