大型類人猿の生活史

大型類人猿(チンパンジー・ボノボ・ゴリラ・オランウータン)どうしを比べると、生活史の違いは体の大きさの差と必ずしも一致しない。

体重が最も重いメスのゴリラが最も初産年齢が最も若く出産間隔も最短である。最もゆっくりした生活史をもつのはオランウータンのメスであるが、彼女たちは他の類人猿より小さな体をしている。

集合性の高さとオスによる子の世話が、ゴリラに早い生活史をもたらしていると考えられる。


■参考文献
『人類進化論——霊長類学からの展開——』第三章・第二節 類人猿の生活史  山極寿一(裳華房、二〇〇八年)

『家族進化論』第四章・第三節 類人猿の生活史戦略  山極寿一(東京大学出版会、二〇一二年)

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。

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