言葉を使うというのは、比較的進化した末の動物の高度な能力なのです。
生物同士のコミュニケ―ションにはさまざまな次元があり、肌をこすりあったり、鼻をこすりあったり、鳴き声を伝えたり、匂いを残したり、身振り手振りをします。体を触れ合うことは最も原初的なコミュニケーションの方法です。
他方言葉は世界を分割し、より詳細な内容、かつ抽象的な内容を伝えることができるようになりました。つまり同じ生物は言葉によってある程度同じように世界を分節化しています。そのような言葉の成立、つまり伝達方法の高度化は社会を形成する礎となったのでした。
■参考文献
『ことばの誕生―行動学からみた言語起源論』 正高 信男 一九九一年
『ソシュールの思想』 丸山 圭三郎 一九八一年
★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。