ヒトに固有な「幼年期」と「青年期」

さらに、ヒトは彼ら固有の生活史段階を持っている。すべての類人猿に共通する生活史段階は、「アカンボウ期」「コドモ期」「オトナ期」「老年期」の四つである。ヒトだけはこれらに加えて、「アカンボウ期」と「コドモ期」の間に「幼年期I):すでに離乳しているがオトナと同様の食物を食べることができず、やわらかい食物が必要な時期。」を持ち、また、「コドモ期」と「オトナ期」の間に「青年期II):すでに性成熟を迎えているにもかかわらず、実際には繁殖をまだ開始しない時期。」がある。

加えて、後に述べるように「閉経後の長い老年期」もヒトに固有なものである。


■参考文献
『サルの生涯、ヒトの生涯——人生設計の生物学』  デビッド・S・スプレイグ(京都大学学術出版会、二〇〇四年)

『家族進化論』第四章・第九節 人類の生活史と進化  山極寿一(東京大学出版会、二〇一二年)

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I. :すでに離乳しているがオトナと同様の食物を食べることができず、やわらかい食物が必要な時期。
II. :すでに性成熟を迎えているにもかかわらず、実際には繁殖をまだ開始しない時期。