建設的な批判のために

しかしその上で、次のことを強調しておきたい。

以上の論考に対する建設的な批判は、わたしが行ってきた類型化の(致命的な)誤りを指摘、あるいはこの類型におさまらない理論の存在を指摘した上で、それが「現象学・欲望論的アプローチ」に対して原理的に優位であることを論証することにある、と。

このことを強調することで、本章で述べてきた現代政治哲学の隘路あいろとその克服の理路を、公の検証へと開いておくことにしたいと思う。


■参考文献
『「自由」はいかに可能か―社会構想のための哲学』 第四章・第三節 ローティ  苫野 一徳 二〇一四年

★この記事はiCardbook、『自由の相互承認—— 人間社会を「希望」に紡ぐ ——(上)現状変革の哲学原理』を構成している「知識カード」の一枚です。

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