ニホンザルの三者間攻撃交渉

ニホンザルは自分と相手だけでなく、他個体間の順位関係も認識している。それがわかるのは、三者間の攻撃交渉が起きた時だ。

ここで個体A,B、Cに、AC(Aが最上位)の順位関係があるとする。下位個体Cは上位個体Bとの争いには勝てない。しかし、もしBよりさらに上位の個体Aが近くにいれば、CはBに劣位の表情を示しながらもAの注意を引こうとする。それに気づいたAはすぐさま飛んできて、Bを追いかけ回す。結果としてCはA、Bの順位関係を利用して食物にありつける。


■参考文献
『ニホンザルの生態』  河合雅雄(河出書房、一九六四年)

『サル学再考』  水原洋城(群羊社、一九八六年)

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。

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