類人猿の中でヒトだけが重層社会をもつ

現在のヒト社会は、多くの場合一夫一妻のペアを核とする家族を基本単位とする。しかしこれはテナガザルのペア社会とは異なる。なぜなら、ヒトは婚姻を起点として複数の家族が強固に結びつき、家族の外側に地域集団という上位の社会を形成する。これは他の類人猿には見られない、「重層社会」である。


■参考文献
『人類進化論―霊長類学からの展開——』第六章 社会的知性とコミュニケーション  山極寿一 (裳華房、二〇〇八年)

『家族進化論』第一章 家族をめぐる謎  山極寿一(東京大学出版会、二〇一二年)

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(上)「社会」の学としての霊長類学』を構成している「知識カード」の一枚です。

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