私たちの予想は的中した。私たちは二十一世紀に入って、中央アフリカのガボン共和国・ムカラバ-ドゥドゥ国立公園で、ニシローランドゴリラの人付けを行ってきた。
「グループ・ジャンティ」と名付けられたその群れで、二〇一〇年と二〇一三年に計十八例の果実の分配を観察したのである。I):分配されたのは、トレクリアという直径30センチにもなる大型の果実だ。シルバーバック(オトナのオス)がその果実を食べ始めると、メスや子供たちはオスをのぞき込んで周りに落ちた果肉の破片を取ろうとした。シルバーバックはその手を払いのけることもあったが、やがて果肉を取るのを許したのである。
■参考文献
『ゴリラ 第二版』第三章・第五節 果実を分配するニシゴリラ 山極寿一(東京大学出版会、二〇一五年)
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註
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