まだ大臼歯が生えていないうちに離乳させられた赤ん坊は、大人と同じものを食べることがまだできない。したがって、親や年上の個体からやわらかい食物I):たとえば糖分に富む甘い果実や蜂蜜、シロアリなどの動物タンパク質など。を、まるで「離乳食」のように与えられる必要がある。
つまり、初期人類の中で早期離乳と多産が進化すると同時に、「幼年期」という新たな生活史が生まれたと考えられるわけだ。
■参考文献
『サルの生涯、ヒトの生涯——人生設計の生物学』 デビッド・S・スプレイグ(京都大学学術出版会、二〇〇四年)
『家族進化論』第四章・第九節 人類の生活史と進化 山極寿一(東京大学出版会、二〇一二年)
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註
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