実物界からの離脱 (2)「ごみ」の忘却

第二の段階は、生産物がその実体から切り離された段階である。

限界革命を通じて、市場で評価される効用をつくりだすことが生産であるという考え方が広がっていった結果、その効用を提供するために物質を媒介するものかどうか、つまり「ごみ」を出すかどうかに関心はないという経済学ができあがった。

こうして完成した経済学が新古典派経済学である。

■参考文献『環境を守るほど経済は発展する』 第三章 経済学はどこで間違ったのか  倉阪 秀史 二〇〇二年
『環境と経済を再考する』 第一章・第三節 従来の経済学の世界観の生成過程  倉阪 秀史 二〇〇六年


★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか(上)視座と理念の転換』を構成している「知識カード」の一枚です。

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