自然の恵みからの分け前としての地代

スミスの「国富論」では、三大生産要素として、土地、労働、資本の三つが取り上げられている。つまり、生産物は、大地の恵みと、人間の働きと、危険をいとわない資本家の判断によって生み出されるという考え方であった。

三つの生産要素の中で、土地は、自然から得られる恵みを指していた。スミスも『国富論』において、地主たちは「自然の産物に対しても地代を要求する」と記している。※I):引用 『国富論』(日本経済新聞社、二〇〇七年)II):これは労働が加わってはじめて土地が主要要素となるのだとしても、土地なしでは、つまり労働だけでは生産が行われないのを重視している点で、次の「差額地代」とは区別される考え方であった。[編集部]

■参考文献『国富論』  アダム・スミス 原著一七七六年
『環境を守るほど経済は発展する』 第三章 経済学はどこで間違ったのか  倉阪秀史 二〇〇二年


★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか(上)視座と理念の転換』を構成している「知識カード」の一枚です。

アイカードブック(iCardbook)

   

 

   [ + ]

I. :引用 『国富論』(日本経済新聞社、二〇〇七年)
II. :これは労働が加わってはじめて土地が主要要素となるのだとしても、土地なしでは、つまり労働だけでは生産が行われないのを重視している点で、次の「差額地代」とは区別される考え方であった。[編集部]