Tag Archives: 電子書籍

コミックが書籍を超えた日

・紙と電子を合算した出版市場が4年ぶりのマイナス成長

電子出版、1桁成長に鈍化 22年7.5%増 紙含めた市場、4年ぶり縮小

 

■2022年、出版市場は再び軟化

出版市場は電子版を加えたベースで2018年を底に、前年比増加基調に転じたとされてきました。ところが、2022年再び前年比減少となりました。理由は電子版の軟化です。 Continue reading

 

汎用図書館としてのデジタル図書館

■汎用図書館と文庫と学習

あらゆる主題が網羅され、相互に内容的な関係をもちつつ、同じ内容のものはない。それら膨大に蓄積された書き言葉(テキスト)やドキュメントの集合体。これが、古来より人類に構想されてきた「汎用図書館」のイメージ。そして資源の蓄積と再利用が、「図書館」という手法、活動のエッセンスです。他方「文庫」はもともと、ある特定の個人がその興味と関心にしたがって収集した「自分用図書館」、「個人蔵書」の語義が原型です。たとえば三木清の次の一文です。

「本は自分に使えるように、最もよく使えるように集めなければならない。そうすることによって文庫は性格的なものになる。」(「読書子に寄す」とiCardbook https://society-zero.com/chienotane/archives/5171
・三木清

(思想家紹介 三木清 « 京都大学大学院文学研究科・文学部 https://www.bun.kyoto-u.ac.jp/japanese_philosophy/jp-miki_guidance/

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大学図書館の電子書籍の状況(2020年度)

■電子図書館の普及

大学図書館への電子図書館の導入は悉皆ではないものの、ほぼ導入すべきところへは行き渡ったと言えるような段階に入りつつあります。その中でどういうものが選書され(買われ)ているのか。厳密な統計は手元にないものの、ヒヤリングで聴かれる、ざっくりした印象を書き出してみます。 Continue reading

 

電子図書館の普及状況(2020年)

◎2020年における電子図書館サービスの普及状況を『電子図書館・電子書籍貸出サービス 調査報告2020』およびその他公開資料からみていこう。

まず確認しておかないといけないのはここで記述されるのはB2Bサービスであること。B2B以外にB2Cでの電子図書館サービスもあるがここでは対象外。

さてそのうえで、大学図書館はこのサービスを導入しうる施設へはほぼ導入が完了した状態。今後はコンテンツ(電子書籍)の増強やサービス内容の拡充が課題の段階。 Continue reading

 

専門書の未来

◎専門書の未来は電子出版(ebook+POD)とオープンとクローズの入れ子構造の工夫にある。

知識と本

「知識」は公共財です。誰でもがアクセスできるようオープンでなければなりません。

津波がここまで来たぞ、これより下に住むなといった石碑があちこちに残されていたことを3.11で私たちは改めて知りました。津波に関する知識を誰でもが共有し次世代に残すため、アクセスしやすくオープンにする工夫が石碑でした。また神話に無文字社会の「知識」伝達手段の役割があったことを最近の研究は明らかにしています。口承(オープン)で流布していた神話は、物語のカタチをとった「知識」伝達の手段だったのです。 Continue reading

 

●たとえあまり売れなくても、価値のある本を作る

たとえあまり売れなくても、価値のある本を作る。そのために先ず、他の本で十分な売上を作ること。」

これは韓国出版業界で5本の指に入る図書出版「キョル」の代表、キム・ジェミンの言葉。
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■日本人と米国人 どっちが読書好き?

■日本人の方が読書好き(!?) 買って読む

「読書週間」ということで、「WIRED」誌が「読む」という行為の変化を追いかけている。その記事の中に、2017年、「米国では本が6億8,720万冊売れた」とあった。


(出典はPrint Sales Up Again in 2017 https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/bookselling/article/75760-print-sales-up-again-in-2017.html

この数値、つまり市場規模を金額ではなく冊数ベースで、日本を眺めると、5億9千冊Continue reading

 

●20世紀マインドから21世紀マインドへ

170616 PS/A
┃Networks あるいは知のパラダイムシフト
ICT、意思決定、コミュニケーション、学び、意味と構造化など

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

トーハンの業績分析を読むと今の出版業界の苦境がわかる。特に雑誌の下落がはなはだしい。「業量が減少する中で人件費等のコストは上昇し、出版輸送の維持は喫緊の課題」だ。

ただこの苦境から脱出する方向性は案外、本の外の世界にヒントがあるかもしれない。

日本と中国を行き来する中国人には日本社会が20世紀をまだ疾走していると感じている。20世紀マインドから21世紀マインドへのシフトがなされていないのが苦境の原因かもしれない。 Continue reading

 

●テクノロジーを知っているか。

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●一人出版社がAIを導入してやろうとしていること[3] http://society-zero.com/chienotane/archives/4403
「まもなく「AIと相談」しながら、会議の資料やレポートを作成する時代がやってくる。
SFの世界ではない、もう始まっている」。

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●日本では取次制度が、米国では大手寡占が、崩れ始めた

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●アマゾンと出版社、容赦ない取次「外し」加速…問われる取次の存在意義、存亡の危機か http://biz-journal.jp/2016/02/post_13887.html
「うちの取次への正味(卸率)は67%です。しかも新刊は5%の歩戻しが取られますので、実質正味は62%です。また、支払いがアマゾンは月末締めの翌々月末払いとかなり早いですが、取次の場合は6カ月以上かかります。1月に書籍を出してお金が入ってくるのは7月とか8月になってしまうので、アマゾンの提案に気持ちがぐらつくのも当然です」。
実は2015年4月、KADOKAWAはアマゾンとの直取引スタート。

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