Tag Archives: 退職金

●経営・労務の日本型システムを守る、その犠牲として生まれた日本の「若者の貧困」

┃Post Modern あるいは再編成されるLife(生命/生活/人生)
働くって? 育児、教育、ケア、地域、時間、eco、社会保障など

●「若者の貧困」に大人はあまりに無理解すぎる http://toyokeizai.net/articles/-/140240
働いても「貧困」から抜け出せない、日本カイシャ事情と労働関連の諸制度の壁。この、若者たちの置かれている現状の厳しさが、いまだに多くの人々の間で共有されていない。

20世紀と21世紀は全く別の世界だ。20世紀は労働万能説と家族扶養説が人々に共有され、共有されるだけの素地が日本社会にあった。
労働万能説=「若者は働けば自立できる、働きさえすればまともな生活ができる/働けばそれに見合った賃金を得られ、その賃金によってまっとうな生活を営める」。
家族扶養説=「たとえ働かなくとも、若者たちには父母や祖父母がいるので、多少おカネに困ったとしても、家族が手を差し伸べてくれるのではないかという神話」。
いまの問題の深刻さは、「本人が低学歴であったり、コミュニケーション能力が低いということに由来しているわけではない。大学を卒業しても、普通に働いて生計を維持することが急速に困難になっている」日本企業社会の変容、そしてもうひとつ家族の溶解がある。
世紀をまたぐ十年のほどの間に、「経済界・企業は、多くの若者を日本型システムから排除すること、つまり、若者を犠牲にしながら、日本型システムを温存しようとした(労働社会学者の木下武男氏)」。

「困ったら家族が助けてやればいいという論調は、ややもすると社会福祉や社会保障の機能を家族に丸抱えさせることにつながってしまう。これでは家族が共倒れの状況を招きかねず、さらに社会福祉や社会保障の発展も妨げる。そういう点において、家族扶養説は危険な前近代の思想であると言える」。

Continue reading