Tag Archives: 資本主義

なぜシュリンクフレーションは「安い日本」なのか

◎ステルス値上げや隠れインフレ、さらにシュリンクフレーションがわかり、「安い日本」の恐怖に気づくための、Web記事10選

◎日本人の賃金が停滞し続けているのは、日本の政治家が、宇沢の研究成果に、疎いからだ。1961年宇沢弘文は、労働分配率の長期的な安定性はマクロ経済の健全性の前提条件である指摘していたのに◎
・Neutral Inventions and the Stability of Growth Equilibrium H. Uzawa https://www.jstor.org/stable/2295709
(The Review of Economic Studies Vol. 28, No. 2 (Feb., 1961), pp. 117-124 )
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エレファントカーブと『父が娘に語る経済の話』

◎「『父が娘に語る経済の話』は、闘う経済学者が書いた、小さな花のような本」(ブレイディみかこ)/
従来の経済学の常識とは異なる視点で複雑な「経済」を解説してくれる◎

目次
■エレファントカーブ(あるいはエレファントグラフ)
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話
支配者が与えるイデオロギー
経済の意思決定過程に、政治の制度を挿入せよ
読むときっと満足する読者プロファイル
まとめ

 

著者のヤニス・バルファキスが娘に、そして一般の市民に一番伝えたかったこと、それは、自分の人生と、人生を取り囲む社会の制度の束についての、大切な判断を他人任せにするな、ということ。

そしてそのために知を求めなさい。経済とはなにか、資本主義とはなにか。とりわけ資本主義がどのように生まれ、どんな歴史の中でいまの経済の枠組みを育ててきたかを自分の頭で理解しようとしなさい、ということだ。

 

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書評|クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界

◎「誰もが経済についてしっかりと意見を言えることこそ、良い社会の必須条件であり、真の民主主義の前提条件だ」。
そう考え、経済を身近なものと感じられる助けになる本を書きたかった、経済学大学教授によるSF小説。◎

「刺激的な思考実験と、完璧に独創的なSFナラティブが織りなす一冊
(アルフォンソ・キュアロン 『リトル・プリンセス』『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『ゼロ・グラビティ』『トゥモロー・ワールド』の監督)」


(Yanis Varoufakis: ‘Brexit is like watching a train crash in slow motion’ | British GQ | British GQ https://www.gq-magazine.co.uk/article/yanis-varoufakis-brexit-interview

目次
■経済学者が書いたSF小説
読むときっと満足する読者像
HALPEVAMとは
民営化と証券化、そしてIT
金融の黒魔術
資本主義を終わらせるテクノ反逆者
資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界
ヤニス・バルファキスとは Continue reading

 

■日本は経済と社会をリセットできるか

社会の危機を変化の入口に

世界経済フォーラム(WEF)は6月3日、2021年1月に開く年次総会(ダボス会議)のテーマを「グレート・リセット」にすると発表しました。会議の六か月も前にアジェンダ設定し公表するのは珍しいことです。


開催時期の再変更:例年の1月から5月へいったん延期されていた #ダボス会議 ( #世界経済フォーラムの年次総会 )は、新型ウイルスの感染が依然各国続き移動の制限などで渡航も困難になっていることを理由に、8月17日から20日に変更すると発表。(追記 2021年2月4日)



(「グレート・リセット」の時 | 世界経済フォーラム https://jp.weforum.org/agenda/2020/06/gure-to-risetto-no/
【追記あり 記事の最後】 Continue reading

 

複式簿記|11月20日は近代資本主義の濫觴の記念日

11月20日は現在世界を覆っている近代資本主義の奔流、その最初の一滴が流れ始めた記念すべき日です。1494年11月20日、イタリアはヴェネチアで『スムマ』と呼ばれる数学書が刊行されました。

17世紀の科学革命の前にまず数量化革命があったとする、アルフレッド・W・クロスビーは主著『数量化革命』の中で,1494 年にイタリアの数学者ルカ・パチョーリが複式簿記をまとめ、『スムマ』として刊行したことが,西欧の世界史への巨大な台頭を促したと説明しています。 Continue reading

 

●AIは不平等を加速させる? イノベーションか制度設計か

かくもIT、デジタル化の力は凄まじい。
5千万ユーザーを獲得するまでにかかった時間
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●ポストモダン思想の限界が、大学を危機に陥れている

マルクス社会学は、自由経済と資本主義が諸悪の根元だと考えた。そこで私的所有と自由競争を禁止しさえすれば、よい社会になると夢想した。

しかしそれが大きな勘違いだったことは歴史が証明。つまり、経済的な「平等」を力づくで実現させようとすると、逆にむしろ強大な権力システムが必要となり、必然的に自由の抑圧される社会しか産まない。

一方、新自由主義の社会構想の軸は、「権力自体が「悪」」。だから、それを廃棄してしまえ(官から民へ)ば問題は解決するとした。そしてそこから、どんな権力や制度も絶対的な根拠はもっていない(規制緩和が金科玉条)という相対主義から、社会をいよいよ混迷、不安の淵へと追いやってしまった。 Continue reading

 

●intelligence喪失 二方向からの社会瓦解の予感

企業組織、三権の組織、大学組織、これら組織のエリート層からintelligenceが失われているのではないか。

ネットへの理解不足、それを端的に表しているのがGDPのように見受けられる。日本だけが先進諸国のなかでGDPが増えていないどころか、減っている。

さらに、資本主義あるいは市場原理と民主主義との調和に関する見識、これもお寒いのが現状なのでは。

このままでは日本一人負けは続き、日本社会そのものが瓦解しかねない。 Continue reading

 

1840年 天保11年 アヘン戦争勃発

◎19世紀前半、岐路にあったアジア。そのアジアへアヘン戦争は、列強によるアジア進出への道をひらくこととなってしまった。

■アヘン戦争とは

アヘンの輸入をめぐり発生した、中国と英国との戦争(1840~1842年)。阿片戦争,鴉片戦争の字もあてられる。

アヘン戦争は中国(当時は清朝)社会上層部の腐敗を加速させ、財政をさらに窮地に追い込み、社会不安を増長させ、清朝を内部から崩壊へと導くこととなった事件。また仰ぎ見る大国であったはずの中国の実態を知ってしまったアジア各国の国内で様々な動きが、これを契機に始まる。日本の明治維新への道程もこれらの動きのひとつ。そして西欧列強はアジア各国の動揺に乗じ、植民地化への食指を伸ばし始める、そのきっかけとなったのがアヘン戦争である。 Continue reading

 

●かつて資本主義は、「自由」と結びついていて人々を熱狂させたのだった。

160520 MP

┃Economy あるいは資本主義のメタモルフォーゼ
成長と生産性、ビジネスモデル、経営、、国家、民主主義など

●(インタビュー)しじみ汁の経済学 チェコの経済学者、トーマス・セドラチェクさん http://www.asahi.com/articles/DA3S12364125.html
日本にも『花見酒の経済』という名著があった。今、二日酔いに苦しんでいる世界の経済や経済学に対し、お酒という「借金(あるいは「緩和」や「公共工事」という金融政策)」の効能に酔いしれていると、手痛いしっぺ返しに合うと、とセドラチェク氏は警告。それも5千年前の叙事詩から近代までを照覧、そして笑覧し、発せられた警告。
・自由を意味する資本主義こそ大事。「成長-資本主義」は最悪。
・「借金」を経済のカンフル剤のように勘違いしている。それは「未来から現在に金を移しただけ」。
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